仮想通貨交換業者のGMOコインは9月5日より、取引所サービスを開始しました。
ユーザー同士が直接仮想通貨の交換を行うこのサービスは、従来GMOコインが提供してきた販売所サービスよりも実質的な手数料が安く、ユーザーにとっては朗報と言えます。当面はビットコインのみを対象とする予定です。
参考ページ:GMOコイン取引所サービス提供開始について
目次
販売所サービスと取引所サービスはどう違う?
仮想通貨交換業者の提供するサービスは「販売所サービス」と「取引所サービス」の2つに分類できます。
販売所サービスとは?
販売所サービスは、交換業者とユーザーが仮想通貨を売買する仕組みです。
ユーザーは予め交換業者側が提示している価格で仮想通貨を売ったり買ったりします。仕組みが理解しやすく、簡単に売買できる半面、交換業者側の取り分であるスプレッド(購入価格と売却価格の差額)が大きく、またそれが業者都合で変動するというデメリットがあります。
取引所サービスとは?
取引所サービスは、ユーザーとユーザーが仮想通貨を売買する仕組みです。
ユーザーが出した注文が板という一覧表にまとめられることから、板形式と呼ばれることもあります。交換業者は両者の取引を仲介し、その見返りとして手数料を受け取ります。この方式は初心者には若干ハードルが高いものの、手数料が安く、他者の注文が見えるというメリットがあります。
ユーザーにとってより望ましいのは取引所サービス
販売所サービスと取引所サービスにはそれぞれメリットとデメリットがありますが、基本的には取引所サービスのほうがメリットが大きいです。手数料の安さは何事にも代えがたいものだからです。今回のGMOコインの取引所サービス開始は、そのニーズに基づいていると言えるでしょう。
GMOコインの取引手数料は最大0.01%!
GMOコインの取引所サービスの仕組みは以下のとおりです。
対象銘柄 | ビットコイン(BTC) |
---|---|
手数料 | Maker手数料0%、Taker手数料0.01% |
1回あたりの最大注文数量 | 2BTC |
1日あたりの最大注文数量 | 100BTC |
ここで注目すべきは手数料です。
GMOコインの手数料にはMaker手数料とTaker手数料があります。Maker手数料は指値注文(新たに板に注文を乗せる形式)にかかる手数料、Taker手数料は成行注文(板に掲載されている注文を取りに行く形式)にかかる手数料です。GMOコインの手数料は無料ですが、Taker手数料は有料なので注意しましょう。
なお、GMOコインを含む主要な仮想通貨交換業者のビットコイン取引手数料をまとめた表は以下の通りです。
仮想通貨交換業者 | Maker手数料 | Taker手数料 |
---|---|---|
BitFlyer | 0.01~0.15% | 0.01~0.15% |
Zaif | -0.05% | -0.01% |
Bitbank.cc | 0% | 0% |
GMOコイン | 0% | 0.01% |
また、他の取引所が気になる方は、国内取引所も合わせてご覧ください。
今後新しい仮想通貨取引所サービスは更に増える?
現状、日本で金融庁に登録済の(審査に合格した)仮想通貨交換業者は全部で16社ありますが、その裏では100社以上が金融庁の審査を待っています。金融庁が基準を厳格化したこともあり、審査は遅々として進んでいませんが、将来的にこの中のいくつかが新たな登録済み仮想通貨交換業者になることは間違いないでしょう。
仮想通貨交換業者の淘汰に備える
仮想通貨交換業者の増加は、競争が激化を招きます。そして、それに伴って取引手数料の低価格化やその他付随サービスの提供が起こると考えられます。このような事態は、ユーザーにとって望ましいことですが、そうした競争は仮想通貨交換業者の淘汰をも招きます。
2000年台にはFXの世界で実際にそのような現象が起きています。経営の失敗で倒産するFX業者がほとんどでしたが、アルファFXのように顧客の資産を経営者が横領したことが原因で倒産するような、どうしようもないところもありました。
仮想通貨の世界でも今後、このような流れが起きることは十分に考えられます。仮想通貨交換業者が倒産しても資産が保全されるという保証はありませんので、
- 怪しい業者には登録しない
- 1つの取引所に多額の資産を預けない
- ハードウェアウォレットなどを利用する
などの対策をとって、自らの資産を守っていきましょう。