ビットコインドミナンスの上昇傾向止まらず、8月には50%突破

ビットコインドミナンスの上昇傾向止まらず

2018年に入って以降、ビットコインドミナンス(時価総額占有率)の上昇が続いています。2018年1月1日時点で36.47%だったビットコインドミナンスは5月中旬辺りから安定的に上昇しており、2018年8月には同年で初めて50%を突破しました。


データ参照元:https://coinmarketcap.com/

この裏にはアルトコインの信頼下落、ビットコインETFに対する期待感の高まりがあるものと思われます。今後ビットコインETFが承認された場合さらなる上昇が見込まれるため、アルトコイン投資家にとっては予断を許さない状態と言えそうです。

ドミナンスとは

ドミナンスとは、全仮想通貨の時価総額に対するある仮想通貨の時価総額の割合、つまり時価総額占有率のことです。

例えば全仮想通貨の時価総額が1000億円で、ビットコインの時価総額が800億円だった場合、ビットコインドミナンスは80%となります。

ビットコイン誕生~2018年8月までのドミナンスの変化

ビットコインドミナンスは、誕生から2015年末頃までは安定的に90%前後、もしくはそれ以上をキープしていました。当時は競合相手となる知名度や機能に優れたアルトコインが存在せず、ほぼ一人勝ちとも言える状況でした。

2016年に入るとイーサリアムドミナンスが多少上昇しますが、それでもビットコインドミナンスは80%前後で安定していました。が、2017年3月頃から、ビットコインは分裂の危機や送金詰まりなどでその伸びが鈍化します。

同時期に当時まだ時価総額が低かったアルトコインへの投機熱が高まったこともあり、ビットコインドミナンスは大幅に定価。2017年6月下旬にはビットコインドミナンスは40%以下に定価、一方でイーサリアムドミナンスが30%を超えるなど、両者は肉薄します。

その後ビットコインドミナンスは一旦持ち直し、同年12月には60%まで回復しますが、2018年1月の大暴落で再び低下、1月中旬には過去最低となる32%台を記録します。当時はイーサリアムもかなり価格を下げており、アルトコイン同士でも資金を食い合っていたため、ビットコインが別の通貨に抜かれることはありませんでしたが、当時はこのままドミナンスが低下し続けるのではという予測も見られました。

が、その後ビットコインドミナンスは再び緩やかに上昇。自らの価格上昇ではなくアルトコインの価格下落に助けられた形ではありますが、ビットコインは徐々に存在感を取り戻していきます。5月以降はほぼ一貫して上昇を続けており、8月11日に同年で初めて50%を突破しました。

なぜビットコインドミナンスは上昇している?

原因は大きく2つあるものと思われます。1つはアルトコインの価格下落、もう1つはビットコインETFに対する期待の高まりです。

アルトコインの価格低下について

アルトコインは、主要アルトコイン(イーサリアム、XRPなど)はもちろん、新興アルトコイン(いわゆる草コイン)もドミナンスを低下させています。草コインの中には大きく値を上げているのもありますがそれは少数で、殆どはジリ貧となっています。ビットコインも特別価格が伸びているわけではありませんが(2018年6月上旬と9月上旬の価格はほぼ同等)、それ以上にアルトコインが価格を下げています。

ビットコインETFについて

ビットコインETFとは、ビットコインを投資対象に含めた上場投資信託です。ビットコインETFが承認された場合、価格が上昇するという予想は多数あります。

投資信託とは、複数の株式や債券などの金融商品を1つにパッケージした金融商品のことです。資金が複数の銘柄に分散されるため、個別銘柄を買うよりもローリスク・ローリターンです。投資信託には証券取引所に上場されているもの(どこの証券会社でも買えるもの)とされていないもの(特定の証券会社でしか買えないもの)があり、前者をETFといいます。ビットコインETFは、パッケージの中にビットコインが入っているETFです。

なぜビットコインETFが上場されると価格が上昇すると考えられているのか。理由は簡単で、機関投資家の参入障壁が大幅に下がり、それによる資金流入が期待できるからです。

ETFとして上場されるということは、証券取引所の審査に通過したということです。証券取引所はおかしな商品を上場させたくないので、厳正に審査を行っています。この厳正な審査に合格した商品は一定の信頼を得たものであるため、機関投資家も比較的安心して投資できます。

機関投資家が動かすお金は個人投資家のそれよりも遥かに多く、彼らの資金が流入すれば大幅な価格上昇も期待できるのです。

本当に上場されるの?

ビットコインETFが実際に上場されるかどうかについては現時点では「わからない」としか言えません。少なくとも、2018年9月1日現在では、審査結果が出たすべてのビットコインETFは却下されています。

ただ、現在審査が行われているCboeのETFは、今まで却下されたどのETFよりも期待度が高く、注目されています。Cboeは新成績のSEC(米証券取引委員会)との関係が良好で、メンバーも優秀、投資家保護も他のビットコインETFより優秀です。

今後のビットコインドミナンスはどうなる?

仮にビットコインETFが承認された場合、ビットコインドミナンスは上昇する可能性が高いです。アルトコインは主要なイーサリアムやリップル(XRP)が全体的に停滞しているのに加えて、草コインも淘汰が進められており、ビットコイン以上の価格上昇が起きる可能性は短期的には低いです。

逆にビットコインETFが承認されなかった場合、これまで期待感から買っていた投資家の資金が抜け、ビットコインドミナンスが低下する可能性も考えられます。

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