大手マイニング機器製造のビットメイン、香港証券取引所にIPO申請

大手マイニング機器製造のビットメイン、香港証券取引所にIPO申請

世界最大のマイニング機器製造会社のビットメイン(Bitmain)が、香港証券取引所に新規株式公開(IPO)申請を行ったことを明らかにしました。

IPOが許可されるか否かは現状不透明であるものの、提出された申請書が公開されたことによって、これまで不明な点の多かったビットメインの収益や資産情報が明らかになりました。

ビットメインってどんな企業?

ビットメインは世界最大手のマイニング機器の製造、販売や、仮想通貨のマイニング事業を行う企業です。北京に本社を置き、香港を含めた中国各地に拠点をおいています。大半の利益をマイニング機器「Antiminer」の販売によって得ています。

マイニング事業に関してはAntpoolとBTC.comという2つの子会社を通じて行っており、前者ではビットコイン以外の仮想通貨もマイニングしています。両者のハッシュレートはビットコインハッシュレートの約35%を占めています(2018年9月29日時点)。

同社が仮想通貨に対して大きな影響力を持つ企業であることは間違いなく、以前からIPOが噂されてきましたが、今回の公式声明によりそれが事実であることが明らかになりました。

順調に増収増益を果たすビットメイン、一方で仮想通貨の価値は下落

今回の申請で提出された書類によって、これまで外部から推測するしかなかったビットメインの資産状況、経営状態が明らかになりました。

文書によれば2016年の収益は約310億円、2017年は2830億円、2018年は上半期終了時点で3200億円でした。収益とは会社に入ってくるお金で、主な源泉は売上です。このことから、同社が順調に売上を伸ばしていることがわかります。

売上から原価を引いた粗利益は2016年は約170億円、2017年は約1360億円、2018年上半期は1160億円で、こちらも順調に増えてきています。純利益は2016年は約128億円、2017年に約1070億円で、やはり順調に増えています。全体としてみれば、増収増益を果たしていると言えます。

参照:マイニング企業Bitmainが上場申請へ

一方で、資産状況については少し状況が異なります。

同社は仮想通貨関連企業だけあって多くの仮想通貨を保有しています。ビットコイン、イーサリアム、ビットコインキャッシュ、ライトコイン、ダッシュなどの合計保有量は約940億円で、純資産(総資産から負債を引いた会社の純粋な持ち分)の28%を占めています。そして、最近の仮想通貨市場の大幅な落ち込みによって、約120億円もの純損失を出したとされています。

IPO申請の狙いは?

一般的にIPOには以下のようなメリットがあります。

  • 資金調達能力の向上
  • 企業知名度の向上
  • 企業イメージの向上

ビットメインのIPO申請にも、これらのような意図があるものと推測できます。証券取引所に上場されれば企業イメージも知名度も大きく向上します。特に仮想通貨のような、まだ一般的でない物を取り扱う企業にとってイメージは大切です。

証券取引所に上場できるような企業ならば信頼できるはずだ、というイメージを持ってもらえれば、ビットメインはもちろん、仮想通貨市場全体にとっても大きなプラスになるはずです。

IPOの可否、具体的な日時や金額などは不明ですが、仮想通貨投資家ならば情報を追いかけておくことをおすすめします。

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