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BAT(BasicAttentionToken/ベーシックアテンショントークン)の概要
通貨名称 | BAT(BasicAttentionToken/ベーシックアテンショントークン) |
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最大発行数 | 2017年5月 |
公開日 | 15億枚 |
公式サイト | https://basicattentiontoken.org/ |
ホワイトペーパー | https://basicattentiontoken.org/BasicAttentionTokenWhitePaper-4.pdf |
BATの特徴や目指しているもの
BATは、オンライン広告の問題解決を目指すウェブブラウザ「Brave(ブレイブ)」で使われる、イーサリアムのブロックチェーンをベースにした暗号資産です。
2017年5月のICOでは、わずか24秒で38億円を回収して、大いに話題となりました。
現状のウェブ広告が抱える問題点
Web広告の出稿には広告仲介業者が不可欠であり、広告仲介業者なくして現在のWeb広告のエコシステムは機能しません。しかし、この仕組みにはいくつかの問題点があります。
現状のWeb広告は「見る者」と「出す者」のどちらにも問題が多く、それらの原因の多くはWebメディアの中央集権化にあります。この問題の解決を目指すのがBraveとBATの目標です。
ユーザーは無用な費用負担が多い
BAT開発陣の調査によれば、一般的なスマートフォンユーザーのモバイルデータの約50%はデジタル広告の表示やその計測、プラグインなどに利用されており、23ドル/月もの費用を「支払わされて」います。また、広告ターゲティングの問題から見たくもない広告が表示されることが多く、不快な思いをさせられることもしばしばあります。
広告主には余計な支出がかさむ
広告主視点では、支払った費用ほどの効果を得られないことが少なくありません。ターゲットに見合わない広告表示が多いだけではなく、6億台以上の携帯電話やパソコンがなんらかの広告ブロックツールを使用しています。Webユーザーと広告主の関係は良好とは言い難く、それが双方の不利益につながっています。
広告主とユーザーの良好な関係を目指すBraveとBAT
BATはweb広告の問題解決を目指すウェブブラウザBraveで使われる暗号資産です。
広告主は広告を見たりシェアしたユーザーにBATを支払うことで、既存のエコシステムに代わる広告システムの構築を目指しています。また、ユーザーは良質な広告出稿者にBATトークンを送信できるので、より直接的な支払いにも対応しています。広告を表示するかしないかは、ユーザーが決めます。
シンプルで高速なオープンソースブラウザ「Brave」
BATの価値が高まるにはBraveの普及が欠かせませんが、それだけのポテンシャルを秘めているブラウザといえます。一番の特徴はGoogle Chromeを上回る表示速度であり、余計な広告をブロックすることでGoogle Chromeの2倍から8倍程度の表示速度を実現しています。
現代のWebブラウザは安定して早いですが、広告ブロックの拡張機能(アドイン)により表示速度が遅くなったり、不具合が出ることあります。Braveは標準で広告ブロック機能を導入ため、そのようなことはまず起こりません。
また、多言語対応や拡張機能の導入にも対応しているので、自分好みにカスタマイズできるのも見逃せないポイントです。
Youtubeでの直接送金を実現
Youtubeで収益を得るには、広告再生やクリックなどが必要であり、低品質動画や違法動画の投稿につながります。しかし、動画投稿者に対して直接送金できれば、良質な動画に直接還元できる、低品質な動画を排除できます。
2017年11月のアップデートで、Youtube視聴者がBraveを通じて動画投稿者に対して直接送金ができるようになりました。現在はYoutubeのみの対応となっていますが、今後は他の動画サイトでも同様のサービスを導入する予定です。
BATの将来性
現状のままでは、BATにはあまり明るい見通しを感じません。BATの価値が高まるためにはBraveのシェア増加が必要不可欠なのですが、今のところその兆しは見られないからです。
現状、世界のWebブラウザのシェアトップはGoogle Chromeで、その下にFirefoxやMicrosoft Edgeなどが続いている状態です。統計によって多少数値は異なりますが、Braveは現状「Other(その他すべて)」に含まれ、その割合は0.1%にも満たないと考えられます。ブレイブはこの数字を伸ばしていかなければならないわけですが、これはかなり難しいでしょう。
確かにBraveは高速で使いやすいブラウザですが、他のWebブラウザにもそれぞれ優秀な点があります。なにより、主要なブラウザは「主要なブラウザであること」自体が信頼につながっています。難しいことはよくわからないけれど、まあシェアの多いブラウザを使っておけばとりあえずは安心だろう、というわけです。Braveのようにリリースされたばかりのブラウザにはそれがありません。信頼を得られることになるとしても、それはかなり先の話になります。面白い取り組みではありますが、仮に投資する場合でも、数年、あるいはそれ以上の時間がかかることを覚悟しておいたほうがいいかと思います。
BATが日本に上場する可能性
現状、日本の暗号資産取引所に上場される見通しはありません。投資する場合は、海外の取引所を利用しましょう。