目次
LUN(Lunyr/ルーナー)の概要
通貨名称 | LUN(Lunyr/ルーナー) |
---|---|
最大発行数 | 約270万枚 |
公開日 | 2017年3月 |
公式サイト | https://lunyr.com/ |
ホワイトペーパー | – |
LUNの特徴や目指しているもの
LUNは次世代のWikipediaを目指す分散型百科事典開発プロジェクト「Lunyr」で使われるイーサリアムベースのトークンです。Wikipediaと違いユーザーに対して報酬が支払われるのが最大の特徴で、これが記事作成のインセンティブとなります。執筆者は記事作成の見返りとしてLUNで報酬を受け取ります。
Wikipediaの仕組みと問題点
オンライン百科事典として有名なWikipediaは、世界中の人々が自分の知識を持ち寄り、編集し、閲覧できる、無料のツールです。英語記事は500万以上、日本語記事も110万以上存在しています。
非常に便利であり、優れた記事も多いWikipediaですが、一方で誰でも編集ができる仕組みになっているため、信憑性に難のある記事も少なくありません。
wikiシステムに依存する信ぴょう性の乏しさ
もちろん、編集の方針やガイドラインは定められているのですが、膨大な数の記事を少ない管理者が全てチェックするのは事実上不可能です。小さな誤字脱字はともかく、明らかな事実誤認などが放置されているのは問題と言わざるを得ません。
寄付金頼みの資金面での不安定さ
また、資金面での不安定も見逃せません。Wikipediaは編集にも閲覧にもお金がかからない、広告も掲載されない無料のオンライン百科事典であり、その運営資金は主に寄付から成り立っています。
現状、Wikipediaを運営するWikimedia財団は黒字経営が続いており、総資産・純資産ともに増加していますが、収入の9割が寄付金とその不安定さは否めません。こうしたWikipediaを筆頭とするオンライン百科事典の問題点を解決して、より信頼できる分散型百科事典を作るプロジェクトがLunyrです。
Lunyrの仕組み
Lunyrは、ユーザーが記事を書いて充実させるという仕組みの基本はWikipediaと同じですが、いろいろな工夫によって記事の品質向上を図っています。
記事の執筆者は、記事投稿時に手数料を支払います。記事投稿を有料にすることによって、荒らし記事投稿を防ぎます。記事投稿を有料にすると執筆者がいなくなるのでは、と思われるかもしれませんが、書いた記事がレビューに通り、公開されればより多くの報酬が受け取れるため、記事を書くインセンティブは存在します。
記事のレビューをする人をレビュワーとして任命して、レビュワーに対しても報酬が支払われます。レビュワーは投稿する全執筆者の中からAIの機械学習を使って選ばれます。レビュー記事は自分の精通しているジャンルになるため、よく知らない分野のレビューをさせられることはありません。
内部トークン「CBN」と「HNR」の使い道
記事投稿やレビューで受け取れるトークンには「CBN」と「HNR」があります。どちらも他の人には譲渡できず、Lunyrのシステム内から出すこともできません。
CBNは取引所で取引できるLUNと交換できるトークンです。CBNの保有者には、その保有量に応じたLUNが与えられます。HNRは、記事内容について論争が起きたときの投票に使用される投票券です。HNRを保有できるのは記事の執筆者やレビュワーなどの知識がある人のみであるため、悪意あるユーザーや無知なユーザーによって良質な記事が勝手に書き換えられる心配はありません。
また、Lunyrは運営費用を稼ぐために広告を募集していて、個人や法人はLUNを使って広告を掲載します。こうして集められたLUNはプールされ、執筆者やレビュワーに対しての報酬支払に使われます。
LUNの将来性
現時点では判断が難しいところです。Wikipediaを超える分散型百科事典を、というプロジェクトは壮大ですが、やはりライバルとなるWikipediaの大きさが厄介です。確かに何かと問題点が多いWikipediaですが、中央集権サイトならではの強みもありますし、現時点での知名度は抜群です。
記事を書いて報酬を受け取るという仕組みは、STEEMやALISにも似ています。STEEMやALISは百科事典というよりもSNSという面が強いですが、これらのプロジェクトもライバルになるでしょう。
LUNが日本に上場する可能性
現時点で上場される見通しは立っていません。すでに海外の複数の暗号資産取引所に上場されていますので、そちらを利用するといいでしょう。