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BCD(BitcoinDiamond/ビットコインダイヤモンド)の概要
通貨名称 | BCD(BitcoinDiamond/ビットコインダイヤモンド) |
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最大発行数 | 2億1000万枚 |
公開日 | 2017年11月 |
公式サイト | http://www.btcd.io/ |
ホワイトペーパー | – |
BCDの特徴や目指しているもの
ビットコインダイヤモンド(BCD)は、ビットコイン(BTC)から分裂(フォーク)して誕生した仮想通貨です。ビットコインよりも大きなブロックサイズと、ビットコインの10倍もある発行枚数が大きな特徴です。
2017年の年末に相次いだビットコインの分裂の中では比較的影が薄いものの、ビットコインを保管する仮想通貨としての性能は悪くなく、その割には価格も安く、意外と穴場の仮想通貨です。一方で現状では開発があまり進んでおらず、差別化点も乏しい一面もあるため、投資にあたっては慎重な判断が求められます。
2017年末までのビットコインフォーク
ビットコイン(BTC)はこれまでに複数回の分裂を経験しています。仮想通貨の分裂というのは概念的には非常に理解しづらいですが、仮想通貨のコミュニティ内でどうしても解決できない対立などが生まれた際にはブロックチェーンを分岐させ、仮想通貨自体を分裂させて解決することがあります。
スケーラビリティ問題がきっかけとなったビットコインフォーク
最初にビットコインが分裂したのは2017年8月で、このときに誕生したのがブロックサイズが大きい(8MB)のビットコインキャッシュ(BCH)です。ビットコインの急速な普及によって発生したブロック容量に収まりきらないほどの取引が行われるようになった結果、承認が遅れる「スケーラビリティ問題」を解決するためにできたものです。
当初、ビットコインコミュニティでは、個々の取引のサイズを小さくするSegwitという技術の導入が提案されましたが、これは大規模にマイニングをしている「マイニングプール」にとって都合が悪いものでした。自らの利益を守るため、マイニングプール側はブロックサイズを従来の1MBから8MBに引き上げることを提案。一旦は折衷案的なSegwit2xが採用されたものの、結局意見はまとまらず、分裂による解決が図られました。
ビットコインゴールド(BTG)が誕生
2017年10月にはビットコインが再び分裂し、ビットコインゴールド(BTG)が誕生しました。
前述の通り、ビットコインのマイニングは主に中国のマイニングプールが独占的な立場を得ていますが、マイニングがごく限られた組織のものになってしまうと、ビットコインの本来の理念である分散化からはどんどん離れていってしまいます。
ビットコインダイヤモンド(BCD)はこの問題点を解決するため、GPUでマイニングに参加できるのが大きな特徴です。ビットコイン(BTC)やビットコインキャッシュ(BCH)のマイニングには、ASICというハードウェアが事実上必要不可欠です。しかし、ASICは非常に高額で、個人や小さな組織が簡単に手を出せるものではありません。一方、GPUはそれなりに高性能なパソコンにも搭載されており、少なくともASICと比べればかなり安価です。
個人や小さな組織がマイニングに参加するようになれば、マイニングプールの影響力が相対的に弱まり、それが分散化をもたらします。また、ビットコインゴールド(BTG)の採掘難易度の調整はブロックごとに行われます。ビットコイン(BTC)やビットコインキャッシュ(BCH)の難易度調整が2週間に1回であるのと比べると、かなり細かい調整が行われることになります。
さらにフォークしたビットコインダイヤモンド
そして、2017年11月、ビットコインは三度分岐。個々で誕生したのがビットコインダイヤモンド(BCD)です。BCDは基本的にはビットコインゴールド(BTG)と同様に、マイニングの分散化を図るために作られたものですが、その方法が少し異なっています。ビットコインゴールドはGPUでもマイニングに参加できるようにすることによって分散化を図りましたが、BCDはそれに加えて、発行枚数を10倍にしました。発行枚数が増えれば個人でもある程度のマイニングが可能になることを見越したものだと思われます。
また、ブロックサイズはビットコインキャッシュと同様に、8MBまで拡大しています。BCDはビットコインからフォークした2つの仮想通貨のメリットだけを狙った仮想通貨であると言えます。以下の比較表も参考になるかと思いますので、一度目を通してみてください。
通貨名称 | ビットコイン(BTC) | ビットコインキャッシュ(BCH) | ビットコインゴールド(BTG) | ビットコインダイヤモンド(BCD) |
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最大発行数 | 2100万枚 | 2100万枚 | 2100万枚 | 2100万枚 |
ブロックサイズ | 1MB | 8MB | 1MB | 8MB |
難易度調整 | 2週間毎 | 2週間毎 | ブロック生成毎 | 2週間毎 |
Segwitの導入 | 有 | 無 | 有 | 有 |
マイニングに必要な機材 | ASIC | ASIC | GPU | GPU |
BCDの匿名性
BCD(ビットコインダイヤモンド)は、Bitcoin及びそこから分裂した仮想通貨の中では初めて、高い匿名性を取り入れた仮想通貨です。ビットコインやビットコインキャッシュなどの取引はすべて公開されます。そのため、万が一アドレスと個人情報が紐付けられると、すべての取引を他人に覗かれてしまいます。
一方、BCDでは取引金額が暗号化されるため、プライバシーが保護されます。送金先までわからなくなるDASHなどと比べると不完全ではありますが、匿名性が多少上昇したのは評価ポイントと言えそうです。
筆者が考えるBCDの今後の将来性
BCDの将来性は、正直なところ現状では不透明としか言えません。ビットコインはBCD誕生後も分裂を繰り返しており、スーパービットコイン、ライトニングビットコイン、ビットコインXなる仮想通貨も誕生しています。仮想通貨が分裂するのは必ずしも悪いことではありませんが、ここまで分裂を繰り返していると怪しいもの扱いされても仕方ありません。
性能自体は悪くなく、Segwitとブロックサイズの拡大を両方採用している点は評価ポイントなのです。しかし、現時点では競合するビットコインやビットコインキャッシュ、あるいはライトコインなどと比べると開発コミュニティもあまり盛り上がっておらず、そこまで明るい兆しは見えません。もちろんその分価格が安いので仕込み時と考えることもできるのですが……。
BCDが日本に上場する可能性
現状では上場の可能性は低いため、海外の仮想通貨取引所の利用をおすすめします。
BCDが購入できる海外の取引所一覧
- バイナンス
- OKEx
- EXX.com