難易度調整ってなに?価格にどうして影響するの?

難易度調整が価格に影響する理由

ビットコインの価格を決める要素の一つに、マイニング間隔を調整する難易度調整があります。難易度調整はマイナー以外からはあまり関心を持たれませんが、価格形成に与える影響は軽視できません。

今回は、難易度調整の仕組みや難易度調整が導入されている理由、難易度調整と価格の関係性などを見てみましょう。

ビットコインの難易度調整

ビットコインの難易度調整は、ビットコインのブロックチェーンのブロック生成間隔をおよそ10分になるように調整することで採掘速度をコントロールすることです。
ブロック生成スピードが早すぎれば難易度を引き揚げて採掘速度を落とし、遅すぎるときは難易度を下げて採掘速度を引きあげます。

ビットコインのマイニングの仕組み

ビットコインの健全性はマイニングによって支えられています。マイニングとは、ビットコインの取引を承認し、取引をまとめたブロックを生成する作業のことです。このブロックが時系列順に繋がったものがブロックチェーンです。

》ブロックチェーンの仕組みについての解説ページはこちら

仮想通貨によってマイニング手法は違いますが、ビットコインのマイニングは単なる計算の繰りかえしです。もう少し詳しく見ると、ハッシュ関数と呼ばれる特殊な関数に通したときに最初の16桁がすべて0になる「適切な元データ」を探す競争がビットコインのマイニングです。安定して報酬が得られるのでマイニングをしたい人はたくさんいますが、実際にマイニングができるのは1ブロックにつき1人だけです。報酬がインセンティブとなる以上、現状ではマイナーがいなくなる心配はありません。

適切な元データが見つかればブロックが生成されて、初めて見つけたコンピュータに報酬が支払われます。難易度調整は、この適切なデータが見つかる間隔がおよそ10分になるように調整する仕組みであり、ビットコインの難易度調整は2週間に1回実施されていて、採掘難易度として明示されます。

採掘難易度とハッシュレート

採掘難易度は2週間に1回調整されますが、長期的な観点から見れば時間が経てば経つほど上昇します。2009年末時点の採掘難易度は「1」でしたが、2018年4月時点では「約4兆」まで増加しました。それだけマイナーが増えて、マイニング用のコンピュータも進化したからです。

近年、ビットコインではこのマイニングの寡占化が問題となっていますが、その裏には難易度調整という仕組みがあったのです。マイナーが増えればマイニングに掛かる時間は10分より短くなりますが、難易度調整で難易度は上昇します。この繰り返しで難易度は劇的に上昇したのです。難易度が上昇すればするほど資金力があるグループによるマイニングの寡占化が起こるのです。

難易度調整をする理由

取引の承認は早いに越したことはなく、わざわざ難易度を上げてまで時間を調整する必要はないのではと思われるかもしれません。しかし、難易度調整をしないと、ブロック生成スピードがどんどん上昇してしまいます。

ブロック生成スピードが上昇するとビットコインの新規発行のペースも当初の予定より多くなり、それがインフレを招いてしまう恐れがあります。ビットコインは発行ペースが予め決められており、そのペースを守るためにも難易度調整は必須なのです。

難易度調整はなぜ価格に影響するのか

難易度の引き上げと価格は基本的に相反関係にあるので、難易度調整は価格に大きな影響を与えます。基本的に、難易度と価格は逆方向に動くことが多いです(もちろん、そうならないことも少なくありません)。

採掘難易度が上昇するとマイナーが減少する

ビットコインのハッシュレートが減ると送金遅延などの不具合が出る可能性が高くなり、価格は下がる可能性が高いです。ただし、採掘難易度が上昇してハッシュが減ったビットコインのブロック生成時間は10分よりも長くなるので、次の難易度調整では難易度が下げられる可能性が大きくなります。

ただし、仮想通貨の市場全体が成長している場面では、ハッシュレートの絶対数が大きく増えるため、のハッシュレートが増えることも十分ありえます。

BTCの難易度調整の予定スケジュール

ビットコインの難易度調整スケジュールはBlockchain.infoで確認できます。

15 1

この記事の共有はここから