2017年4月の改正資金決済法施行後、金融庁に登録済みの仮想通貨取引所が取り扱っている仮想通貨の一覧表が「ホワイトリスト」と呼ばれるようになりました。ホワイトリストに掲載されている仮想通貨は金融庁が国内で取り扱っても問題ないとみなすことができるため、多くの仮想通貨投資家が注目しています。
今回の記事では現時点でホワイトリスト入りしている19種類の仮想通貨と、今後もリストに入らないであろうリスクの高い仮想通貨について解説いたします。
ホワイトリストの定義
ホワイトリストとは、金融庁に登録済みの仮想通貨取引所が取り扱っている仮想通貨を一覧形式でまとめた表です。金融庁が公式にホワイトリストを発表しているわけではありませんが、当サイトを含めた多くのWebサイトや書籍などでまとめられています。
なお、今の時点で金融庁に申請中の(=登録済みでない)仮想通貨取引所はみなし仮想通貨取引所と呼ばれます。みなし仮想通貨取引所が取り扱っている仮想通貨はホワイトリストには入りません(みなし仮想通貨取引所が正式に登録されたらその時点でホワイトリスト入りします)。
金融庁に登録されている取引所一覧
- マネーパートナーズ
- QUOINEX
- Bitflyer
- bitbank.cc
- SBIバーチャルカレンシーズ
- GMOコイン
- BitTrade
- BTCBOX
- BTIPoint
- DMM Bitcoin
- ビットアルゴ取引所東京
- Bitgate
- BITOCEAN
- フィスコ仮想通貨取引所
- Zaif
- Xtheta
国内ホワイトリスト入りしている通貨一覧
通貨名称 | 主な取引所 |
---|---|
ビットコイン(BTC) | 全取引所で取り扱いあり |
ビットコインキャッシュ(BCH) | Bitflyer、QUIONE,bitbank.cc |
イーサリアム(ETH) | Bitflyer、Zaif、bitbank.cc |
イーサリアムクラシック(ETC) | Bitflyer、DMM bitcoin |
モナコイン(MONA) | Bitflyer、bitbank.cc、Zaif |
リップル(XRP) | GMOコイン、bitbank.cc 、DMM bitcoin |
ネム(NEM) | DMM bitcoin,Zaif |
キャッシュ(QASH) | QUOINEX |
フィスココイン(FSCC) | フィスコ仮想通貨取引所、Zaif |
ネクスコイン(NCXC) | フィスコ仮想通貨取引所、Zaif |
カイカコイン(CICC) | フィスコ仮想通貨取引所、Zaif |
カウンターパーティー(XCP) | Zaif |
ザイフ(ZAIF) | Zaif |
ビットクリスタル(BCY) | Zaif |
ストレージコインエックス(SJCX) | Zaif |
ぺぺキャッシュ(PEPECASH) | Zaif |
ゼン(Zen) | Zaif |
コムサ(CMS) | Zaif |
ホワイトリストに入らない可能性が高い通貨
ホワイトリストに入らない可能性が高い仮想通貨の特徴は大きく2つに別れます。
1つ目は「匿名通貨」2つ目は「草コイン」です。
匿名通貨とは
匿名通貨とは、他の仮想通貨に比べて匿名性が高い仮想通貨のことです。DASH、Monero,Zcashが代表格です。
》匿名通貨とは?ビットコインと匿名通貨の違いや問題点を詳しく解説
ビットコインを筆頭とする多くの仮想通貨は、個別取引がすべてブロックチェーンのブロック内に記録されます。取引の内容は第三者でも簡単に確認できるため、追跡可能性は現金決済などと比べると高いと言えます。
取引に使うのは個人情報と紐付けられていないアドレスであるため、通常は匿名性は保たれます。しかし、何らかの事情でアドレスと個人情報が紐付けられてしまった場合、すべての取引が第三者に筒抜けになってしまいます。こうした点を改善し、外部からの追跡を難しくしたのが匿名通貨です。
匿名通貨は外部からの追跡を気にせず安心して使えることから、一定の需要があります。しかし、外部からの追跡が難しくなるため、マネーロンダリングや違法薬物の売買などの違法行為に使われるリスクもあります。このようなリスクは国家にとって望ましいものではないため、仮想通貨取引所が匿名通貨を取り扱うことを金融庁が認める(匿名通貨が今後ホワイトリスト入りする)可能性は極めて低いと言えるでしょう。
かつてはみなし仮想通貨取引所のコインチェックが匿名通貨を扱っていましたが、すでに取扱の廃止を決定していることからもその傾向が伺えます。
日本に居ながら匿名通貨を購入したい場合は、海外の仮想通貨取引所で口座開設をする必要があります。主要な海外の仮想通貨取引所の口座開設・入出金・取引方法については別記事で解説していますので、そちらを参考にしていただければと思います。
草コインとは
草コインとは、時価総額が低い仮想通貨の総称です(明確な定義などはなく、感覚で語られることが多いです)。仮想通貨は法定通貨と比べて発行が非常に容易であるため、現時点で少なく見積もっても数千種類ほど存在しています。そのうち時価総額が十分に高く、知名度もある通貨はほんの一部だけで、残りの殆どは投資家からもほとんどの取引所からも見向きもされません。こうした大部分の名もなき仮想通貨を草コインと呼びます。
こうした草コインは時価総額が低いぶん、大きく価格が跳ね上がる可能性を秘めています。例えば匿名通貨の一種でもあるVergeは、2017年当初は数ある草コインの1つでしたが、2017年末には時価総額ランキングで30位代に入るほど(モナコインよりも上)上昇しました。その倍率は約1万2500倍です。年始に1万円分買っていれば、年末には1万2500億円になっていたわけです。
しかし、こうした大幅な値上がりを起こす仮想通貨はほんの一部だけで、残りの殆どは特に何の価値も与えられないまま消えていきます。宝くじみたいなものですね。
海外の仮想通貨取引所の中には敢えてこうした草コインを大量に扱うことに寄って差別化を図っているところもありますが(代表的なのがCryptopiaで、500種類以上の仮想通貨を取り扱っています)、日本の仮想通貨取引所は主要通貨のみに絞っているところが多いです。
なぜ日本の仮想通貨取引所が草コインの取扱に消極的なのかを外部から知るすべはありませんが、おそらく
- 投資家保護
- 上場審査や管理にかかる費用の削減
- 金融庁への審査の厳しさ
などが要因としてあるのでしょう。
日本に居ながら草コインを購入したい場合は、海外の仮想通貨取引所で口座開設をする必要があります。主要な海外の仮想通貨取引所の口座開設・入出金・取引方法については別記事で解説していますので、そちらを参考にしていただければと思います。
》海外取引所の口座開設・入出金・取引方法についてはこちら
ホワイトリスト入りした際の市場の影響
あくまでも一般論ではありますが、ある仮想通貨がホワイトリスト入りした場合(国内の仮登録済みの想通貨取引所で取り扱われる用になった場合)、価格は上昇する可能性が高いです。多くの取引所で取り扱われるようになればそれだけ買う人も増えますし、流動性も上昇するからです。
もちろん、上場されただけで必ず価格が上昇するという保証はありません。期待している仮想通貨が上場されたからと言って、浮かれすぎないようにしましょう。