仮想通貨の半減期とは?半減期によるビットコイン価格への影響は

仮想通貨の半減期とは?

ビットコインを筆頭に、多くの仮想通貨には半減期が定められています。半減期とは、簡単に言えばマイニングによって得られる報酬が半分になる時期のことです。今回の記事では半減期の基本的な仕組みや、半減期を設定する理由、半減期が価格に与える影響などをまとめて解説いたします。

半減期とは?

半減期とは、マイニング報酬が半分になる時期のことです。

ビットコインを筆頭に多くの仮想通貨は、すべての取引をブロックチェーンと呼ばれる取引台帳に記録するという仕組みを採用しています。この取引台帳に記録する行為のことをマイニングといいます。

マイニングを行うためには、コンピュータを用意し、電気を使って(つまり、お金を掛けて)難解な計算を解く必要があります。マイニング報酬はこの見返りとして支払われるご褒美です。マイニング報酬があるからこそ多くのユーザーがマイニング競争に参加し、それが取引台帳の健全性を維持することに繋がっているのです。もしマイニング報酬がなければ、この仕組みは遠くない未来に崩壊してしまうでしょう。

しかし、このマイニング報酬は常に一定というわけではありません。マイニング報酬は「新規発行分の通貨」と「取引者が支払った手数料」から成り立っていますが、多くの仮想通貨は、「新規発行分の通貨」をだんだん減らす仕組みを採用しています。そうしないと仮想通貨が大量に発行されすぎて、インフレを起こしてしまいかねないからです(詳しくは後述)。この仕組みで最もメジャーなのが半減期です。

半減期が来ると、新規発行分の通貨はその瞬間に半分になります。例えば、半減期の間隔が2年、初期の発行枚数が10枚に設定された仮想通貨の場合、最初の2年間は1回のマイニングで10枚の新規発行分の通貨が得られますが、その後の2年間は5枚、更にその後の2年間は2.5枚……という感じで減っていきます。

年数 マイニング報酬
1年目~2年目 10枚
3年目~4年目 5枚
5年目~6年目 2.5枚
7年目~8年目 1.25枚
9年目~10年目 0.625枚

半減期は仮想通貨によって異なる

半減期の間隔は仮想通貨によって異なります。例えば、仮想通貨の代表であるビットコインの場合、概ね4年ごとに半減期が訪れます。正確には、21万ブロックが作成されるたびに半減期が訪れます。ビットコインのブロック生成時間は概ね10分に設定されているので、10分×21万=210万分≒4年という計算になります(正確に10分刻みで生成されているわけではなく、実際にはもう少し間隔が短くなる傾向があります)。

ビットコインの半減期グラフ

ビットコイン(BTC)が誕生した当初の新規発行額は50BTCでしたが、2012年11月に1回目の半減期が来て25BTCに、2016年7月に2回目の半減期が来て12.5BTCになりました。3回目の半減期は2020年前半に来る見通しで、その時には新規発行額は6.25BTCになります。

ライトコイン(LTC)の場合も、概ね4年毎に半減期が訪れます。正確には、84万ブロックが生成されるたびに半減期が訪れます。ライトコインのブロック生成時間は概ね2.5分に設定されているので、2.5分×84万=210万分≒4年という計算になります。

ライトコインが誕生した当初の新規発行額は25LTCでしたが、2015年8月に1回目の半減期が来て12.5LTCになりました。2回目の半減期は2019年8月前後に来る見通しで、その時には新規発行額は6.25LTCになります。

モナコイン(MONA)の場合は、概ね3年に1回半減期が訪れます。正確には、105万1200ブロックが生成されるたびに半減期が訪れます。モナコインのブロック生成時間は概ね1.5分に設定されているので、1.5分×105万1200=157万6800分≒3年という計算になります。

モナコインが誕生した当初の新規発行額は50MONAでしたが、2017年7月に1回目の半減期が来て25MONAになりました。2回目の半減期は2020年7月頃に来る見通しで、その時には新規発行額は12.5MONAになります。

半減期がない仮想通貨もあります。例えば、NEM(XEM)には新規発行がないため、必然的に半減期もありません。リップル(XRP)も同様です。

なぜ半減期が起こるのか

半減期を設定する最大の理由は前述の通り、インフレを防ぐためです。インフレとは、貨幣の価値が下落し、物価が上昇する現象のことです。これとは逆の現象をデフレといいます。インフレは一般的に、貨幣の供給が需要を上回るペースで増加したときに発生します。

法定通貨のように半減期が設定されていない法定通貨では、貨幣は理論上はいくらでも増刷できます。

日本の場合、貨幣の時価総額の大部分を担う紙幣は日本銀行が発行しています。日本銀行は法律上日本政府からは独立した機関ということになっています。過去に日本や世界で中央政府が貨幣を発行しすぎてハイパーインフレを招いた事例が多数あり、それを防ぐために独立性を確保しているのです。

しかし、実際には日銀はある程度日本政府にコントロールされています。日銀法でも金融政策や業務運営の独立性が示されている一方で、金融政策は政府の経済政策の基本方針と整合的なものとなるようにという文面も見られます。

日銀の出資証券(民間銀行の株式のようなもの)の55%は政府が保有していることからもわかるように、政府の影響は間違いなく受けます。つまり、政府からの圧力次第で、過度な通貨供給(金融緩和)に傾倒するリスクがあるということです。

通貨の供給量が需要量に対して増加すると、通貨の価値が下がります。通貨の価値が下がれば、通貨の交換対象である物の価値、つまり物価は上昇します。ある程度のインフレはむしろ望ましいとされていますが、行き過ぎたインフレは間違いなく国民生活に混乱をもたらします。最近ではベネズエラが約8年で2000%のインフレ率を経験しており、法定通貨の国際的な信頼は暴落しています。

一方、ビットコインは予め決められたプログラムに従って発行されるので、裁量的な金融緩和によって通貨発行量が過剰になる心配はありません。

法定通貨と仮想通貨の違い

したがってインフレは起きづらく、むしろ半減期によってデフレが進む可能性が高いです。デフレは法定通貨にとってはあまり望ましいことではないのですが、仮想通貨にとっては価格の高騰を招くなど、望ましい面が大きいです。

マイニング報酬を減らしてもマイニングは行われる?

半減期によって新規発行額が減少すると、マイニングを行う人が減り、仮想通貨の取引台帳=ブロックチェーンの健全性が揺らぐのではないかと思われるかもしれません。確かにそういう懸念がまったくないとはいえないですが、現時点ではあまり心配する必要はないでしょう。

仮想通貨の価格が上昇すれば、半減期で新規発行額が半分になっても法定通貨換算での報酬は増えるためです。

例えば、ビットコインの場合1回目の半減期直前、2013年10月ごろのマイニング報酬は50BTCでしたが、その時点での価格は1BTC=2万円程度だったため、法定通貨換算でのマイニング報酬は100万円でした。

一方、2018年4月時点でのマイニング報酬は12.5BTCですが、現時点での価格は1BTC=100万円程度であるため、法定通貨換算でのマイニング報酬は1250万円です。法定通貨に直せば、10倍以上もマイニング報酬は増加していることになります。

また、マイニング報酬には取引者が支払った手数料も含まれるので、新規発行がなくなってもマイニング報酬がまるっきり0になることは考えられません。

半減期でビットコインの価格はどう影響するのか

基本的に、半減期付近では価格が上昇することが多いです。半減期が来ると通貨の供給ペースが減るためです。供給ペースが鈍れば、需要の増加ペースが一定ならば価格は上昇します。ただし、当然ながら必ずしもこの通りの値動きをするとは限りません。他に仮想通貨の価格を値下がりさせる現象がなにか起きれば、そちらに引きずられるでしょう。

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