GMOインターネット株式会社が、日本円と連動したステーブルコイン「GMO Japanese YEN(GYEN)」の土台となるブロックチェーンの内部実証実験を開始したことを発表しました。同社は2020年上半期中の提供を視野に入れています。
法定通貨と連動することを目指す「ステーブルコイン」
ステーブルコインとは、一般的には価格変動のない、法定通貨とのレートが固定されている通貨のことを指します。ペッグ通貨と呼ばれることもあります。例えば円と連動する通貨は円ペッグ通貨、ドルと連動する通貨は円ペッグ通貨と呼ばれます。
例えばGYENのレートは1GYEN=1円になるように常に固定されます。
価値が安定していることがメリット
ステーブルコインのメリットは、価値が常に安定していることです。ビットコインやライトコインなどの非ステーブルコインは、法定通貨に対する価格が急激に変動することがあります。例えばビットコインは2019年初頭は1BTC=40万円程度でしたが、その後7月頃には120万円程度まで伸長し、その後下落して2019年末時点では80万円前後を行き来しています。
この価格変動の大きさのおかげで大きな利益を得られることもありますが、一方でこの変動の大きさは投資家にとって大きなリスクともなりえます。一方、ステーブルコインは前述の通り法定通貨とのレートが固定されていますので、暴落の心配はありません。なので仮想通貨市場が暴落しそうなときには、ビットコインやライトコインをステーブルコインに変換しておけば、安全性を保つことができます。
一方でステーブルコインはれっきとした仮想通貨であるため、高速かつ安価に送金することができます。通常、海外に送金するには数千円程度の費用と数日程度の時間を必要としますが、ステーブルコインはより安価に、なおかつ高速に送金することができます。法定通貨の安定性と、仮想通貨の利便性を備えているのが、ステーブルコインの強みであると言えます。
まとめ
GMOインターネットグループは、以前より仮想通貨に対して積極的な投資を行っています。仮想通貨事業を戦略的事業分野と位置づけて、2017年5月には仮想通貨交換業(仮想通貨取引所の運営)、同年12月には仮想通貨マイニング事業を開始しています。
仮想通貨関連事業は大きく「交換」「マイニング」「決済」の3つに分かれており、そのうち交換とマイニングはすでに参入していることになりますが、この度決済の分野にも進出することになりました。
GMOインターネットは将来的にはボーダーレスな決済や取引通貨としての仮想通貨の活用、あるいはフィンテック分野におけるブロックチェーン技術の活用を見据えて、2020年上半期中の発行に向けた準備を進めています。
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