匿名通貨の代表格であるモネロ(XMR)が2018年10月18日、ハードフォーク「Beryllium Bullet」を実施しました。
公表されたデータによれば、ハードフォーク実施後は平均取引手数料が0.6ドル(約67円)から0.02ドル(約2円)まで減少しました。割合にして約96%の減少であり、送金手段としてさらに使いやすくなったと言えるでしょう。
モネロってどんな仮想通貨?
モネロ(XMR)は2014年4月に公開された仮想通貨です。
モネロはエスペラント語(約120年前に誕生した人工言語)で「硬貨」という意味を持つ単語であり、ビットコインやライトコインなどの主要な仮想通貨と比べると匿名性を重視しているのが特徴です。こうした匿名性を高い通貨は「匿名通貨」と呼ばれ、モネロはその代表格です。
今回のハードフォークの概要
従来のモネロは匿名性が高く、送金速度も早かった反面、匿名化に必要なデータ容量が膨大になりやすいという欠点がありました。今回実施されたハードフォーク「Beryllium Bullet」は、Bulletproofsという技術を導入することによってデータ容量を削減し、それによって取引手数料を削減するためのものであり、多くのユーザーから期待されていました。
ハードフォークは大きな問題もなく無事に成功し、取引データ容量は平均で18.5kbから3kbに、手数料は0.6ドルから0.02ドルまで、大幅に削減されました。ハードフォークは価格にも反映されており、実施直前の10月15日にはわずか数時間で約10%の上昇を記録しています(その後戻しています)。
参考ページ:匿名仮想通貨モネロがハードフォークを完了、取引手数料90%減に成功
モネロの今後の課題
今回のハードフォークによってより使いやすくなったモネロですが、一方でまだまだ問題点は少なくありません。一番の問題点は、マネーロンダリングや違法品の売買への対策です。
匿名性が高いモネロはこうした違法な取引に使われるリスクが高く、こうした問題への対策が急務となっています。日本でも2018年1月にモネロを含めた3種の仮想通貨が取扱中止になるなど、匿名通貨に対する締め付けは強まってきています。
モネロを含めた匿名通貨が、どのような対策を進めていくのか。今後も市場から目が離せなそうです。