米国大手ヘッジファンドの「Point72」の元経営者のトラヴィス・クリン氏が、2018年10月に独自の仮想通貨ヘッジファンドを立ち上げることが明らかになりました。ファンド名は「Ikigai(イキガイ)」で、クリン氏はファンドが数兆ドル(日本円で数百兆円)の資産クラスになるだろうと自信を見せています。
下落相場でも強気の姿勢崩さないクリン氏
クリン氏は電子資産に焦点を当てたファンドを立ち上げるため、2017年12月にPoint72を退社。2018年に入ってからの急激な下落を受けても計画を変更することなく、着実に独自のファンドを立ち上げるための準備を進めていました。
クリン氏はブルームバーグに対して「去年のような仮想通貨ブームが続いていれば資金調達はさらに容易だった」と述べた一方で、未だ仮想通貨に対する自信は揺るがず「仮想通貨ヘッジファンドは数兆ドルの資産クラスになるだろう」と自信をのぞかせました。
11月1日までに1500万ドル(約16.9億円)を確保する見通しであり、今後の市場次第ではトークンアセット・ポートフォリオを1億ドルまで引き上げる計画です。
Ikigaiの仕組み
Ikigaiは米国デラウエア集を拠点に設立される予定のヘッジファンドです。
ヘッジファンドとは、様々な主要を使うことによって、相場が上がっても下がっても利益を得ることを目標としたファンドです。あくまでも目標であり、「相場が上がっても下がっても必ず利益が得られるファンド」という意味ではありません。ヘッジとは直訳すれば「回避」で、相場ゲラ記事の資産減少を避けることからこのような名前がつけられています。
一般的なファンドは広く投資家から投資を募る「公募」という形をとるのがほとんどですが、ヘッジファンドは限られた人(主に富裕層)に絞って投資を募る「私募」の形をとることが多いです。Ikigaiも最低出資額を25万ドル(約2800万円)と高く設定することによって、対象を絞っています。手数料は2%です。
仮想通貨ヘッジファンドは機関投資家を市場に招くか?
Ikigaiのような大規模な仮想通貨ヘッジファンドが機関投資家を市場に招くことができれば、それに伴って仮想通貨の価格も大幅に上がるはずです。
しかし、現状ではそれにあたって超えなければならないハードルが多数あります。中でも特に重要なのは規制関連です。安定して利益を挙げなければならない機関投資家が安心して参入するためには、適切な規制が必要不可欠です。これがない状態でただヘッジファンドを増やしたところで、本格的な参入は期待できないでしょう。
まずは、国際的な取り決めの創設に期待したいところです。