マイニングの種類の違いやマイニングに必要な電気料金について見てきましたが、今回は複数のマイナーが協力してマイニングをするプールマイニングの魅力と参加方法を見てみましょう。おすすめのプールマイニングも紹介しているので、参考にしてみてください。
目次
プールマイニングとは?
プールマイニングとは、複数のマイナー(採掘者)で協力してマイニングを行うことをいいます。マイニングをする人が溜まってる場所を、水を溜めるプールに例えてプールマイニングと呼ばれています。
マイニング作業を複数人で分担することで他の人が採掘した分も振り分けられることで無報酬であることはない反面、全員で分けるので個人の報酬は少なくなるというデメリットもあります。報酬は均等ではなく、作業の時間配分やマイニングするパソコンの性能によって変化します。自分が所有しているパソコンのマシンパワーが大きいほど仕事をしたとされて、それに応じて報酬が増えます。
プールマイニングの国別・地域別シェア率
それぞれのプールマイニングがどの程度のマイニングをしているかというハッシュレート分布情報は、全ての人が見れるように「https://blockchain.info/」で公開されています。
(2018年6月15日現在)
この分布図を見ると、約8割が電気代が安い中国でのプールマイニングで占められています。このグラフにないプールマイニングは数多く存在します。しかし、中には詐欺業者も存在するため、グラフ内の実績がある業者(サイト)を選ぶ方が安心でしょう。
プールマイニングの参加方法
プールマイニングへの参加には、2つの参加方法があります。
自分が制作したマイニングパソコンを使ってマイニング作業をする方法です。参加したいプールマイニングのホームページなどで登録して、マイニングソフトをインストール。その後は、ソフトを起動してるだけで勝手にマイニングしてくれます。
特別難しい操作は必要ないので、初心者でも簡単に設定出来るのは有難いですね。プールマイニングでブロックの生成が成功した時点で、仕事量に応じたマイニング報酬が貰えます。
採掘権の購入は平たく言えばクラウドマイニングであり、具体的にはマイニング業者に出資するということです。クラウドマイニングへの参加方法は別記事で紹介していますので、参考にしてください。
おすすめのプールマイニング
プールマイニングを選ぶコツとしては『どの仮想通貨をマイニングするか』というを一番に考える事が大事です。
プールマイニングサイトによって対応している仮想通貨が違うからです。良さそうなプールマイニングがあっても、マイニングを考えている通貨がなければ参加する意味がありません。
①BitClubNetwork

2014年から運営している『BitClubNetwork』はシェア率こそ2.4%と高いとは言えませんが、日本人マイナーが一番出資しているマイニングプールとして知られています。そこには、以下のような特徴があるからと言われています。
日本語対応のサービス
英語表記でしか対応してないプールマイニングが多い中で、BitClubNetworkが日本語に対応しているのは大きなメリットになっています。
残念ながら、カスタマーサポートは英語に限られますが、BitClubNetworkの投資家コミュニティーは非常に活発なので、コミュニティ内で日本語でサポートを受けることもできます。
透明性の高さ
BitClubNetoworkで公開されている情報は、多くのマイナーに有意義なものを与えてくれています。現状のプールマイニング性能の変化、今後の設備投資計画、生成する事が出来たブロック数など隠さずに公開しているので、信頼性と透明性が非常に高いです。
確実な実績
数多いプールマイニングの中でも、安定したシェアを確保しています。最初に書いた通り、2014年から運営している中で一度足りとも配当がストップした事がありません。そういった実績を積んでいる事が信頼に繋がっています。
アルトコインにも対応
現在は以下の4種類のアルトコインにも対応しています。
- イーサリアム(ETH)
- イーサリアムクラシック(ETC)
- モネロ(Monero)
- Zcash(ZEC)

Antpool

プールマイニングの中でも大きなシェアを持っている『Antpool』は、中国の半導体製造会社が運営している『Bitmain technologies Limited』が提供しています。そんなAntpoolには、他のプールマイニングにはない特徴があります。
それが『Antminer』と呼ばれるマイニング専用のAsicツールを開発している点です。Asicとは、特定の用途向けに開発されている集積回路の名称。このAsicマイニングツールには、勝利電力を抑えながらも高い計算能力を保持しているというメリットがあります。
こういった最新技術を用いることで、Antpoolは大きなマイニングシェアを握ることに成功しているのです。他にも、高い実績があるため信頼性も高く多くのマイナーが利用しています。

プールマイニングの注意点
51%攻撃問題の対象になるリスク
ブロックチェーンの仕組みで説明しましたが、トランザクションデータを全て改ざんするのは非常に難しいのです。一人のパソコンで『ブロック①』という結果を『ブロック②』に改ざんする事自体は簡単です。しかし複数のパソコンから『ブロック①』は『ブロック①』だ!という意見が51%あれば、『ブロック②』だ!という意見が49%あっても承認されるのは『ブロック①』だ!と言った方になります。
どれだけ一部の人が頑張って改ざんしても、過半数の支持を得る必要があり、それがビットコインの強さです。しかし、逆に言えば『ブロック②』だ!とするパソコンが51%を超えれば、改ざんが成功してしまいます。
ビットコインのマイナーは現在、採掘したマイニング報酬と手数料によって収入を得ています。ビットコインの発行枚数は決められているので、約2040年には発行枚数に達すると言われています。すると、マイナーの収入は手数料だけになり、2040年以降にこの51%攻撃が起こるのではないか?と心配されています。そこで懸念されているのが、プールマイニングのシェア率です。
簡単に言えば、プールマイニングのシェアを51%占領してしまう事で51%攻撃は可能になります。現状では、1位のBTC.comでも28%ほどなので偽装することは出来ません。しかし、昔であればシェア率15%前後で1位だった事を考えれば、大きく成長したと感じます。
ただ、現在のビットコイン業界ではマイニングによる報酬がきちんと貰えて利益に繋がるマリットがあるため、51%攻撃は起きないでしょう。日本でも新しくプールマイニングが出来るほどなので、心配いりません。しかし、問題なのが半減期を繰り返して、マイニング報酬が激減し始める時です。
社会人で言えば、どんどん減給されていって生活もギリギリ出来るか分からないくらいにまで落とされるみたいなものですから、たまったものじゃありません。そのため、多くのマイナーがビットコインのマイニング作業から撤退を始め、残った一部のマイナーグループが51%の割合を占める可能性があるとされているのです。
実際に、2013年に『Ghash.io』というプールマイニングで、計算力が50%を超えそうになり、51%問題が顕在化した事もありました。そう考えると、いつ起こってもおかしくない事なのかも知れません。充分に注意しておきましょう。