なぜビットコインの価格が下がるとアルトコインが下がる?連動するワケ

ビットコインの価格が下がるとアルトコインが下がるワケ

複数の仮想通貨のチャートを比較したことがある方ならばご存知かと思いますが、アルトコインの価格は概ねビットコインの価格と連動しているように見えます。ビットコインの価格が下がるとアルトコインの価格も下がり、ビットコインの価格が上がればアルトコインの価格も下がるといった感じです。

ビットコインとアルトコインは別物であり、互いに需要を取り合う存在でもあるので、本来なら価格は連動せず、逆の動きをするようにも思えますが、実際には連動しています。一体なぜこのような現象が起こるのかを考えてみたいと思います。

ビットコインとアルトコインの価格が連動する理由

ビットコインとアルトコインの価格が連動する理由は複数存在する可能性が高いですが、その中でも特に大きいと思われるのが以下の2つです。

  • 心理的な影響
  • 大半のアルトコインはビットコイン建てで取引されるため

心理的な影響+アルトコインの価格変動の大きさ

ビットコインやアルトコインの価格は、必ずしも合理的に決まるわけではありません。価格形成には投資家の心理が少なからず絡んできます。「今上がっているからしばらく上がるはず」「上がりすぎたからこれから下がるはず」「そろそろ下げ止まるはず」と言った、個々人の「感情」によって相場が動くことはしばしばあります。

株式市場のように規模が大きい市場ではこうした感情の影響は比較的小さくなりますが、仮想通貨のような新興市場は感情の入り込む余地が大きいです。期待だけで価格が上がったり、不安だけで価格が下がったりするのです。この心理的な動きがバブル、あるいはその崩壊を引き起こします。

このような感情に左右されやすい新興市場でビットコインの価格が上昇したとしましょう。仮想通貨の代表格であるビットコインの価格が上昇している時、仮想通貨市場は活況を呈しているように見えます(実際に活況を呈しているかどうかは別の話です)。そのような市場では、ビットコインよりも価格変動幅が大きい(大儲けしやすい)アルトコインにも資金が流入するため、アルトコインの価格も上昇します。このような環境では、法定通貨が仮想通貨に流れ込むため、仮想通貨市場全体の時価総額が上昇します。

逆にビットコインの価格が上昇しているとき、仮想通貨市場はお通夜状態に見えますので、ビットコインよりも価格変動幅が大きい(大損しやすい)アルトコインからも資金が引き上げられるため、アルトコインの価格も下落します。仮想通貨から法定通貨が引き上げられ、仮想通貨市場全体の時価総額が下落します。

大半のアルトコインはビットコイン建てで取引されるため

現状、多くの取引所では、大半のアルトコインがビットコイン建てで取引されています。ビットコイン建てとは、ビットコインを売ってアルトコインを買う(あるいはその逆)の仕組みのことです。日本の取引所だと法定通貨(円)建て、つまり法定通貨(円)を売ってアルトコインを買う(あるいはその逆)を採用しているところも少なくありませんが、海外ではあまり見られません。

例えば、世界最大級の仮想通貨取引所であるバイナンスの場合、米ドルやイーサリアムでも一部のアルトコインが買えますが、最も多くのアルトコインに対応しているのはビットコインです。

このような環境で、法定通貨を売ってアルトコインを買う場合について考えてみましょう。この場合、まずは法定通貨(円)を売ってビットコインを買います。この時点で、ビットコインの価格は上がります。次にその買ったビットコインを買ってアルトコインを売ります。この時点で、アルトコインの価格も上がります。ビットコインの価格が上がった直後に、アルトコインの価格も上がるわけです。

アルトコインが爆上がりするための条件

アルトコインがビットコインの影響を受けやすい現環境において、アルトコインが爆上げするときはどんなときでしょうか。条件を考えてみたいと思います。

  • 市場全体が上昇傾向にある
  • ビットコインの値上がりの動きがやや鈍い
  • 個々のアルトコインにグッドニュースが多い

まず、アルトコインが爆上がりするためには、仮想通貨市場全体の時価総額が上昇しなければなりません。そのためにはビットコインの価格上昇が必須であると言えます。ビットコインの価格が下落しているときは、アルトコインは更に急激に下落する可能性が高いので、あまり手を出さないほうがいいでしょう。買う場合は深めに指値を設定しておいて、安値で拾えばラッキーだと思ったほうがいいでしょう。

また、ビットコインの値上がりがあまりにも急激だと、そちらに資金がより集中する可能性があるため、ビットコインの値上がり率はあまり高すぎないほうが望ましいです。仮想通貨市場全体が伸びており、その中でビットコインがやや鈍い……というのが理想です。

それに加えて、個々のアルトコインにグッドニュースが多ければ最高です。例えば特定のアルトコインがどこどこの金融機関と提携したとか、ハードフォークによって性能が大幅に上昇したとか……。これらの条件が重なれば、アルトコインの価格は数倍、あるいは数十倍になる……かもしれません。

狼狽売りしないためにも取引時はBTC建てレートでチェックする

仮想通貨の世界において、保有している仮想通貨の価格が下がっていることに気づき、狼狽して売ってしまうことを狼狽売りといいます。

投資の世界において適切な損切を行うことは非常に大切ですが、だからといって理由もわからないまま売ってしまうのはよくありません。狼狽売りをしないためにも、仮想通貨を売却する際にはビットコイン建てレートのチェックを怠らずに行いましょう。

ビットコイン建てのレート変動と、法定通貨建てのレート変動はあくまでも別物だからです。円建てレートでは値下がりしていても、ビットコイン建てで見ると全然下がっていないことは多々あります。注意して見るようにしましょう。

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