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OST(SimpleToken/シンプルトークン)の概要
通貨名称 | OST(SimpleToken/シンプルトークン) |
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最大発行数 | 8億枚 |
公開日 | 2017年11月 |
公式サイト | https://sale.simpletoken.org/ |
ホワイトペーパー | https://www.slideshare.net/slideshow/embed_code/key/GQe7YdnPI3woGf |
OSTの特徴や目指しているもの
OSTは、イーサリアムを用いて簡単にオリジナルトークンを作成できるプラットフォームの「Simple Token」上で使用されるトークンです。Simple Tokenは従来は発行が難しかったオリジナルトークンを専門技術や知識なしに発行できるサービスであり、独自の経済圏の創出、取引の簡易化などに寄与します。
オリジナルトークンの仕組みと利便性
オリジナルトークンとは、企業や個人が既存の仮想通貨のシステムを用いて発行する独自コインです。基本的には仮想通貨と同じものであると考えて間違いありません。
オリジナルトークンの使い道はその発行者が自由に決められます。決済手段として導入したり、レビューを書いてくれた顧客に報酬として支払ったりと、その活用方法はいろいろと考えられます。
オリジナルトークンは主に企業の独自の経済圏の確立や、顧客の囲い込みのために使われます。例えば、ある企業がオリジナルトークンを発行して、それを使えば自社サイトで法定通貨と比べて1割引きで買い物ができるようにすれば、多くの顧客がオリジナルトークンで買い物をするようになり、トークン自体の価値が上がり、顧客も増えていきます。
ポイントとの違いは取引所で取引できること
これだけ見ると既存のポイントサービスと大差ないように見えますが、オリジナルトークンは仮想通貨と同じように取引所で取引できるという違いがあります。
一例として、世界有数の仮想通貨取引所であるバイナンスは、「BNB」というオリジナルトークンを発行しています。これで手数料を払うとバイナンスの使用手数料が半額になるため、多くの顧客がBNBを積極的に使用しています。
オリジナルトークンは資金集めに利用されることもあります。この仕組をIPOといいます。企業はオリジナルトークンを発行して投資家から資金を募り、集めた資金を元に事業を行います。
その事業が成功すればオリジナルトークンの価格は上昇し、IPOでトークンを購入した投資家は大きな売却益を得られます。株式を発行して資金を集めるICOに似ていますが、IPOはそれよりも遥かにハードルが低く、体力がない企業でも行えるというメリットがあります。
オリジナルトークンの発行は難しい
このようなメリットがあるオリジナルトークンですが、一方で問題点もあります。最大の問題点は、発行するのが難しいことです。オリジナルトークンを発行するためには、カウンターパーティ(XCP)やイーサリアム(ETH)、ウェーブス(WAVES)などの仮想通貨発行プラットフォームを使用する必要があります。
最も拡張性が高いのはイーサリアムですが、イーサリアムは発行に知識が必要になるという欠点があります。カウンターパーティ(XCP)やウェーブス(WAVES)などはイーサリアム(ETH)と比べれば扱いやすいですが、それでもある程度の知識を要求されます。また、仮に発行できてもその後の流通管理が大変で手間がかかります。
Simple Tokenはそのような問題を解決するために作られた、使いやすさを重視したオリジナルトークン発行のためのプラットフォームです。
Simple Tokenで企業も個人もオリジナルトークンをラクラク発行
Simple Tokenは、企業や個人が高度な知識や技術なしにオリジナルトークンを発行するためのプラットフォームです。Solidityが何であるとか、ブロックチェーンとはどのようなものであるとかについて、深く知る必要がなくなります。
Simple Tokenでは、トークンの発行はもとより、流通管理も一元化された管理画面を通じて簡単に管理できます。流通管理までできるプラットフォームは珍しく、既存のプラットフォームとの差別化点にもなっています。現在は多くの企業が知名度の高いイーサリアムでトークンを開発していますが、Simple Tokenはそこに取って代わる可能性を秘めています。こちらを使ったほうが遥かに便利だからです。
トークンの使い道は、今までどおり企業が自由に決められます。レビューサイトでのユーザーに対する報酬としての支払い、決済手段、更には個人間送金など、様々な場面での用途を想定できます。
プラットフォームを利用するときにはOSTで手数料を支払うので、Simple Tokenの利用者が増えれば増えるほど、OSTの価値も上がっていきます。
提携企業は9社、世界的に有名な企業も
Simple Tokenでは現在、提携先の9企業が公開されています。テスラモーターズの子会社であるTESLOOPを筆頭に、ゲーム会社の704Games,ソーシャルアプリのPepo,インフルエンサーマーケティング会社のGushcloudなど、業種も企業規模も異なる企業が入り乱れています。704Gamesはゲーム内のアイテム売買に、TESLOOPは都市間交通サービスの運賃の支払いなどにオリジナルトークンを使用する予定です。
業種や企業規模に関係なく、多くの企業がオリジナルトークンの発行を欲していることがわかります。
筆者が考えるOSTの今後の将来性
現時点ではやや雲行きが怪しいと思っています。というのも、まだサービスがリリースされておらず、その使い勝手がよくわからないからです。公式サイトの開発メンバーを見る限りでは優秀な人が多く携わっているように見えますが、見た目だけが立派で実態が伴わないような仮想通貨も少なくありません。
OSTが日本に上場する可能性
現時点で日本の仮想通貨取引所に上場される見通しはありません。海外取引所の中で取引高が特に多いのはバイナンスとHuobiの2社なので、海外取引所を使うならばこの2者のどちらかをおすすめします。