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NEO(ネオ)の概要
通貨名称 | NEO |
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最大発行数 | 1億枚 |
公開日 | 2016年10月26日 |
公式サイト | https://neo.org/ |
ホワイトペーパー | http://docs.neo.org/en-us/ |
NEOの特徴や目指しているもの
NEO(ネオ)は中国産イーサリアムと称されることも多い、同国初のパブリックブロックチェーンです。中国では「ニオ」に近い音で発音されますが、日本ではもっぱら「ネオ」と呼ばれています。もともとはアンシェアーズという名前でしたが、2017年6月に改称されました。
イーサリアムと同様にスマートコントラクトが採用されている一方で、独自の特徴も多数搭載されており、イーサリアムとの差別化も果たされています。技術者向けの開発環境も整備されており、将来有望なプラットフォームの一つといえます。
NEOの最大の特徴「スマートコントラクト」とは
スマートコントラクトは直訳すれば「賢い契約」ですが、その実態は「契約の自動化」です。スマートコントラクトを活用すると、従来は手間がかかっていた契約の履行を自動化できるのです。
スマートコントラクトでない「普通の契約」では、契約を正確に実行するために契約書を作成し、場合によっては第三者を介入させます。例えば、家や土地を買う際には、契約書をしっかりと交わすはずですし、トラブル防止のために仲介業者(不動産会社)を利用するはずです。
一方、スマートコントラクトでは、契約の内容や、その執行条件を契約書ではなくブロックチェーン上に書き込みます。具体的には「AさんがBさんに200万円渡したら、BさんはAさんに自動車を引き渡す」といったような情報を書き込みます。そして、実際にAさんがBさんに200万円を渡すと(契約の執行条件が満たされると)、自動的にBさんはAさんに自動車を引き渡す(契約が実行される)のです。
ブロックチェーンに記載された情報は極めて改ざんが難しく、仮にできたとしてもメリットよりもデメリットのほうが多いため、情報は改ざんされることなく、安全に保たれます。
また、契約は自動的に実行されるので、第三者を介入させる必要もなくなり、彼らに対して支払うコストや手間を削減できます。スマートコントラクトはありとあらゆる「仲介業者」の事業を根本から変える可能性がある技術であり、すでにKDDIやトヨタ自動車、サムスン電子などが研究を始めています。
》スマートコントラクトについてさらに詳しく知りたい方はこちら
NEOとETHの違い
スマートコントラクト自体はイーサリアムにも搭載されている機能ですが、NEOにはそれ以外にも多数の機能が搭載されており、イーサリアムとの差別化点となっています。例えば、NEO上では以下のようなアプリケーションを実装できます。
- SNS
- 予測市場
- データ交換
- 広告市場
- 分散型取引所
- 自動トークンプロバイダ
これらのサービスをすべて説明するのは難しいので、いくつかピックアップして解説します。
予測市場
予測市場とは、簡単に言えばギャンブルです。現在の予測市場は中央集権型の仕組みであり、それを主催する胴元が最終的に必ず儲かる仕組みになっています。しかし、ブロックチェーンを使うと、胴元が存在しない、透明性の高い、なおかつペイアウト率の高いギャンブルが実現できます。予測市場を実現するプラットフォームとしてはAugurが有名ですが、NEOでも同じようなことができます。
分散型取引所
分散型取引所とは、運営がいない仮想通貨取引所です。現在の仮想通貨取引所は中央管理者に秘密鍵の管理を任せる形になっているため、ハッキングや取引所の倒産などのリスクが付きまといます。一方、分散型取引所では自ら秘密鍵を管理しながら取引ができるため、その心配はありません。
》秘密鍵についての解説記事はこちら
NEOでのアプリ開発は非常に簡単
イーサリアムはSolidityという比較的マイナーなプログラミング言語を採用しているため、プログラムを書くのが難しいという欠点があります。
一方、NEOはJavaScriptやPython,C+などメジャーな言語での開発にも対応しており、システムエンジニアの殆どは無理なく開発に参加できます。開発しやすければその分開発コミュニティも活性化するため、有益なアプリケーションの開発が期待できます。
NEOの処理速度はイーサリアムの60倍以上
現在、イーサリアムは1秒間につき約15件のトランザクションを処理できます。一方、NEOは1秒間に約1000件のトランザクションを処理できます。これはメジャーな仮想通貨のなかでも特に早いとされているXRPに匹敵する数字です。
そして、改良を繰り返せば、1秒間に約1万件の処理をすることも可能とされています。これはVISAカードの約2倍の速さです。NEOが将来送金詰まりを起こす可能性は極めて低いといえるでしょう。
独自のコンセンサスアルゴリズム「DBFT」で安全性を確保
NEOはコンセンサスアルゴリズムにDBFTを採用しています。DBFTは直訳すれば「ビザンチン耐障害性コンセンサスメカニズム」です。これはビザンチン将軍問題(ネットワーク管理者の誰かが裏切ったり、バグやミスが発生したりすることによってシステムが機能不全に陥る問題)を解決するものです。
この仕組みのもとでは、ネットワークの中からブックキーパーと呼ばれる信頼性の高いコンピュータをNEO保有者の投票によって決定します。ブックキーパーは名前や団体名を公表することが義務付けられています。
ブックキーパーは新しいブロックを作成し、その見返りにGASという仮想通貨を受け取ります。ブックキーパーは裏切るよりもブロックを作成してGASを稼いだほうが楽でなおかつ儲かるので、安全に保たれます。
NEOとNEO GAS
NEOのプラットフォーム内では、NEOとNEO GASという2つの仮想通貨を使います。NEO GASはブロック作成時に生成されるほか、NEOを使用する際にも使われます。NEOを動かすために、NEO GASが必要になるのです。NEO GASも一部の取引所で売買でき、22年間かけて1億枚発行されます。
筆者が考えるNEOの今後の将来性
NEOの将来性は非常に高いです。なによりただでさえ高性能なイーサリアムを上回る性能を持っていますし、開発に参入しやすいのも大きなメリットです。
一方、懸念点は中国政府の規制です。中国政府は総じて仮想通貨に対して否定的であり、その締め付けがNEOに及ぶ可能性は十分考えられます。ただ、一方で中国政府はキャッシュレス化も強く進めているため、今後の態度を変える可能性も否定できません。仮に規制が入ったとしても、中国国外では問題なく取引できます。
NEOが日本に上場する可能性
時価総額が高く将来性もあるため、日本に上場する可能性は十分ありえます。特にその可能性が高いのがQUOINEXです。期待して待ちましょう。
NEOが購入できる海外の取引所一覧
- バイナンス
- Bittrex