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ITC(アイオーティーチェーン)の概要
通貨名称 | ITC(IOT Chain) |
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最大発行数 | 1億枚 |
公開日 | 2017年12月 |
公式サイト | https://iotchain.io/ |
ホワイトペーパー | https://iotchain.io/pdf/ITCWHITEPAPER.pdf |
ITCの特徴や目指しているもの
ICT(アイオーティーチェーン)は、IoT(モノのインターネット)の様々な課題を解決するためのプロジェクト「IoT Chain」で使用されるトークンです。IoT Chainは中国を主な市場としており、中国版IOTAと呼ばれることもあります。
将来有望な半面、何かと課題が多いIoTをより安全に、なおかつより身近にするためのプロジェクトであり、将来的にはブロックチェーンではなくDAGというデータ構造を採用する予定です。
IoTって何?
IoTとは「モノのインターネット」です。もう少し噛み砕いて言うと、従来はインターネットに接続されていなかった様々な「モノ」を接続することによって、日常生活をより安全・快適にする仕組みのことです。
少し前まではインターネットに接続されるのはパソコンや携帯電話などごく一部の端末のみだけ、というのが常識でしたが、最近はIoTの浸透によってその常識も崩れつつあります。
IoTの代表例とも言えるのがスマート家電です。従来はインターネットに接続されていなかった冷蔵庫や掃除機、空気清浄機やLED電球などが、次々と接続され、遠隔からの操作が可能になっています。家電のみならず、流通、製造、農業などでもIoTの積極的な導入が進められており、知らず知らずのうちに私達の生活はより高度なものに進化しています。
IoTの現状と問題点
IDCが行った調査によれば、2017年における世界全体のIoT関連支出額は6740億ドルで、2018年は前年比14.6%の7725億ドルになる見通しです。2012年には1兆1000億ドルに届く見通しで、年平均成長率は14.4%です。2018年の支出額を技術分野別に見た場合、ハードウェアが2390億ドルで最も多く、以下サービス、ソフトウェア、コネクティビティが続きます。
このように極めて将来有望なIoTの分野ですが、一方で問題点も少なくありません。
1つ目の問題点はセキュリティです。IoTでは様々なモノをインターネットに接続します。接続されるモノが増えれば増えるほど通信の回数は増え、ハッキングの可能性も高まります。データを頻繁にやり取りしつつ、その通信の安全性をいかに高めるかは今後の課題と言えるでしょう。
2つ目の問題点はコストです。IoTでは頻繁に細かな通信を行うため、多くの通信コストが掛かります。日常生活を快適にするためとはいえ、ユーザーは多くのコストを負担できません。IoT普及のためには、コストを減らしつつ利便性を向上させるための取り組みが必要不可欠と言えます。
これらの問題点を解決するためのプロジェクトがIoT Chainです。
IoT ChainはDAGで安全かつ低コストなセキュリティを実現
IoT Chainの最大の特徴は、将来的にブロックチェーンではなくDAGという構造を採用することです。
ブロックチェーンについてはご存知の方も多いかと思いますが、ブロックと呼ばれるデータの入れ物を時系列順に一直線に並べた台帳のことです。複数の個別取引を1つのブロックにまとめ、一定時間ごとにマイナーがそのブロックの承認を行います。マイナーは承認を行った見返りに報酬を受け取ります。
ハッキング・改ざんがほぼ不可能であることから注目を集めているブロックチェーンですが、一方でこの技術に問題点がないわけではありません。1つ目の問題点はマイナーに対する報酬(手数料)が必要になること、2つ目はブロックサイズに上限があり、ブロックの中に取引が入り切らない可能性があることです。その場合、取引手数料は極めて高いものになります。
一方、DAGは個別取引を繊維状にまとめた台帳です。個別取引をブロックにまとめず、個別取引のままで承認を行います。取引はブロックチェーンと同様は時系列順に並べられますが、一直線ではなく繊維のように広がりながら伸びていきます。
DAGの仕組みのもとでは、マイナーではなくユーザーが承認を行います。そのため、マイナーに支払う手数料が発生せず、非常に少ない手数料で取引を行うことができます。また、ブロックが存在しないためブロックの生成を待つ必要もなく、極めて高速な取引が可能になります。更にはブロックが存在しないためブロックサイズの上限を気にする必要もありません。
量子コンピュータ耐性を持つDAG
DAGはブロックチェーンと比べて、量子コンピュータへの耐性が高いとされています。量子コンピュータとは量子力学の原理を応用したコンピュータで、従来のコンピュータと比べて極めて計算能力が高いことが特徴です。
現時点ではまだ実用化されていませんが、GoogleやIntel、日立などの各企業は積極的に研究を行っており、近い将来に実用化される可能性は否定できません。DAGはそうなった場合でも外部からの攻撃を効率的に防げるという点で、ブロックチェーンを採用した他の仮想通貨よりも優れていると言えるでしょう。
一方で、ブロックチェーンと比べるとDAGの歴史は浅く、研究が進んでいない面もあるため、手放しで褒められるものでもありません。まだ見つかっていないリスクもあるでしょう。
今後の開発予定
公式サイトによれば、2018年12月にはIoTのプラットフォームとして利用可能になるとのことです。比較的長期でのプロジェクトが多い仮想通貨の世界ですが、IoT Chainはかなりのスピード感を持って開発されているようです。
筆者が考えるITCの今後の将来性
現時点ではなかなかに将来有望と言えそうです。IoTの分野が将来伸びることは間違いないでしょうし、DAGを採用するのも評価点です。
最大のライバルはIOTAです。IOTAは中国のみならず世界を相手にするプロジェクトですが、基本的な中身はIoT Chainと同じです。あちらもDAGを採用しており、性能的には五分五分といったところです。
しかし、時価総額ではITCが約4800万ドルなのに対して、IOTAは約39億ドルと大きな差が付いています。ITCのほうが伸びしろがあるとも言えますが、ただ単に大きく引き離されているだけとも言えます。個々からの時価総額での巻き返しを期待したいところです。
ITCが日本に上場する可能性
現時点では上場される見通しは立っていません。すでに複数の海外の仮想通貨取引所に上場されていますので、購入する場合はそちらを利用しましょう。
ITCが購入できる海外の取引所一覧
- Huobi
- Bibox