目次
EURS(StasisEURS/スタシスユーロ)の概要
通貨名称 | EURS(StasisEURS/スタシスユーロ) |
---|---|
最大発行数 | – |
公開日 | 2018年7月 |
公式サイト | https://stasis.net/ |
ホワイトペーパー | https://www.docdroid.net/QdCqGO9/stasis-white-paper-2.pdf |
EURSの特徴や目指しているもの
EURSは、スタートアップ企業「Statis」が発行する、イーサリアムベースのユーロペッグ通貨であり、価格が1EURS≒1ユーロで安定するように設計されているのが大きな特徴です。
その仕組み上、高速かつ安全に送金できるだけでなく、資産を保持する手段としても使えるなど、ビットコインなどにはない独自のメリットがあります。
EURSの仕組み
ドルペッグ通貨や円ペッグ通貨は割と早い段階から作られてきたのですが、ユーロペッグ通貨は市場が大きい割になかなか作られることがありませんでした。世界ではじめてのユーロペッグ通貨として、2018年7月に公開されたのがEURSです。
法定通貨と連動するペッグ通貨
ペッグ通貨とは、他の通貨と価格が連動するように設計された通貨の総称です。例えば米ドルと連動するものはドルペッグ通貨、円と連動するものは円ペッグ通貨のように呼ばれます。ビットコインペッグ通貨のように、他の暗号資産と連動するタイプのものもあります。ペッグ通貨といえども市場で取引される以上、変動率(ボラティリティ)が完全に0になることはありませんが、その率はとても小さいものになります。
1EURS≒1ユーロを保つ仕組み
ペッグ通貨にとって最も重要なことは、ペッグ相手との交換比率を安定させることです。もし比率が崩れれば市場での信頼を失い、一気に暴落することが予想されます。交換比率を安定させるための方法は通貨によって異なりますが、EURSは同額のユーロを保有することによって交換比率を保とうとしています。
Statisが新たにEURSを発行すると、同額のユーロをプールして価値の担保にします。これにより仮にEURSの全保有者が一斉にユーロへの交換を求めても、Statisは問題なく対応できます。その結果EURSの信頼性は常に保たれ、交換比率も安定する、という理屈です。
ペッグ通貨のリスク
この仕組み自体は正常に働けば問題のないものですが、それにはEURSと同額のユーロを確実に確保・保管して、しかもそれを外部から確認できるようにする必要があります。Statisが「確かにユーロを保管しています!」といくら宣言したところで、外部からの信頼は得られないでしょう。
例えば、EURSよりも前に作られたドルペッグ通貨のTetherも上記の仕組みを採用していますが、こちらは「価値の裏付けとなるドルが正しく保管されていないのではないかという」疑惑がぬぐえませんが、Tetherは何故か正式な監査を受けようとしません(非正式な監査は受けています)。今のこと大暴落は起きていませんが、その先行きは不透明と言わざるを得ません。
一方、EURSは、監査法人のBDOマルタから四半期ごとの会計監査と、年1回のより詳細な会計監査を受けることによって、信頼性を保とうとしています。会計監査とは様々な企業や団体が行っている財務・会計が法令や規則に基づいているかどうかをチェックすることです。外部の人間に確かにユーロがあることを証明してもらうわけですね。
EURSの将来性
現時点では、一定の将来性があると考えられています。世界初のユーロペッグ通貨というのはやはりインパクトがありますし、価格を維持するための仕組みづくりにも真摯に取り組んでいるように見えます。
ただし、EURSはペッグ通貨ですので、価格が1EURS=1ユーロを大きく超えることはまずありません。あくまでも高速かつ安価な送金手段として割り切ったほうが良いでしょう。
EURSが日本に上場する可能性
現時点では、日本の暗号資産取引所に上場する見通しは立っていません。すでに複数の海外取引所に上場していますので、気になる方はそちらで購入するといいでしょう。
EURSが購入できる海外の取引所一覧
- Bitibu
- HITBTC
- TokensNet