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EOS(イオス)の概要
通貨名称 | EOS(イオス) |
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最大発行数 | 10億枚 |
公開日 | 2017年7月1日 |
公式サイト | https://eos.io/ |
ホワイトペーパー | https://github.com/EOSIO/Documentation/blob/master/TechnicalWhitePaper.md |
EOSの特徴や目指しているもの
EOSは、ホワイトペーパーで「全く利用価値がない」「48時間以内に移転不可能になる」と明示しているにも関わらず、時価総額ランキングで10位前後を維持している奇妙なプラットフォームです。
EOSは「早くて無料」
EOSの最大の特徴は、トランザクションスピードです。トランザクションスピードが早ければ早いほど、取引スピードが早くなり、送金詰まりを起こさなくなります。
送金詰まりが問題となっているビットコイン(BTC)のトランザクションスピードは6~7件/秒に留まり、かなり早いと言われているリップル(XPR)でも約1000件/秒程度です。これに対してEOSは数百万/秒のトランザクションに対応することが可能です。これだけ早ければ、送金詰まりはまず発生しません。決済スピードも3秒と極めて早いことから、送金には極めて便利です。
また、EOSは送金手数料が一切発生しないのもメリットです。慢性的な送金詰まりが続いている暗号資産では、手早く送金を済ませるために多額の手数料を払う必要がありますが、EOSにはそれがありません。頻繁に取引する企業にとっては、これもありがたい特徴です。
2017年でもっとも成功したICO
EOSは2017年中のICOでも最も成功した部類に入ります。公開当初の5日間だけで約1億8500万ドルを集めることに成功し、これまでに集めた資金は7億ドルを突破しています。最初に発行された10億枚のうち9億枚はICOで配布され、残る1億枚を運営側が保有しています。9億枚のうち2億枚は最初の5日間で配布され、残りの7億枚は350日に分けて少しずつ配布されていきます。この配布期間の長さもEOSの大きな特徴です。
EOSのICOがすごいところは、ホワイトペーパーでは「全く利用価値がない」「48時間で利用不可能になる」と明言されているにも関わらず、これだけの資金を集めたことです。普通に考えれば、そんな暗号資産に資金が集まるとは思えませんが、現実には7億ドル以上の資金が集まっています。そのため、EOSはICOブームに最もうまく乗った暗号資産である、と皮肉を込めて言われることもあります。
ただ、全く利用価値がないというのは、あくまでも現時点での話です。EOSのプロジェクト自体が成功すれば、将来何らかの利用価値が生まれることもあります。もちろん、失敗して無価値に可能性も十分に考えられますが、それはすべての暗号資産に言えることです。
EOSのコンセンサスアルゴリズム
EOSはコンセンサスアルゴリズムにDelegated Proof of Stake(DPoS)を採用しています。DPoSでは暗号資産の保有者が取引を承認するにふさわしいと思える人を選出し、その選出された人が取引の承認を行います。投票者には謝礼としてマイニング報酬の一部が支払われます。
もともとはBitSharesという暗号資産で採用された仕組みで、先日BitFlyerで取扱が始まったLSK(リスク)にも同様の仕組みが搭載されています。取引スピードを早くし易いのが大きなメリットであり、この仕組みがトランザクションスピードを支えています。
EOSのロードマップ
EOSはロードマップが公開されています。それによれば、2018年春頃までは、セキュリティ上の問題やバグを取り除くことに尽力し、その後新しいバージョンをリリースしてコードを最適化する、ということになっています。
EOSの将来性
短期的にはそれなりに有望かと思います。利用目的がない暗号資産など誰が買うのか、と思われるかもしれませんが、「現状の利便性」がなくても、「将来への期待感」だけで結構な金額が動きます。決済手段としてはほとんど普及していないにも関わらず、ビットコインの時価総額が数十兆円に達しているのがいい証拠です。短期的な視点で見た場合は、現状の利便性よりも期待感なのです。
仮にEOSが大きく価格をあげるとするならば、それは購入後48時間の移転が可能になり、なおかつ利用価値も与えられたときでしょう。これらが実現するかどうかは不透明なので、あまり大量の資金を投下することはおすすめしません。
EOSが日本に上場する可能性
現状では、日本の暗号資産取引所がEOSを取り扱う予定はないようです。ただ、海外の暗号資産取引所ではかなり多く取り扱われている上、時価総額も高く匿名性通貨というわけでもないため、将来的に導入される可能性は十分にあります。