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DGD(DigixDAO/ディジックスダオ)の概要
通貨名称 | DGD(DigixDAO/ディジックスダオ) |
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最大発行数 | 200万枚 |
公開日 | 2016年3月29日 |
公式サイト | https://digix.global/ |
ホワイトペーパー | https://digix.global/whitepaper.pdf |
DGDの特徴や目指しているもの
DGDは、イーサリアム(ETH)のブロックチェーンを利用した現物の金(Gold)をデジタル化する「DGD」で使用される暗号資産です。実物とは独立したところで存在する多くの暗号資産とは違い、現物の金と深く関連しているのが大きな特徴です。
所有している金に関する情報をブロックチェーン上に登録することによって、その所有権を明確にしつつ、流動性を向上させます。DGDの保有者は、プロジェクトの本部があるシンガポールでそれを金に変えることも可能ですし、あるいは暗号資産取引所を通じて法定通貨や他の暗号資産に変えることも可能です。
人類と金の歴史
DGDの理念を知るためには、人類の金に対する価値観、あるいはそれに対する「執着」について知らなければなりません。金は極めて希少性が高いにもかかわらず、初めて使われるようになって以降、歴史の表舞台から一度も姿を消したことがないという、特異な金属です。
人々を魅了し続ける金
金が本格的に使われはじめたのは紀元前3000年頃であり、メソポタミア文明が金を使った兜をつくったのがはじまりとされています。その後も世界中で価値のあるものとして扱われ、多くの人々を虜にします。その美しさを価値であると捉え、金を使った貨幣、すなわち金貨を通貨として採用する国も出てきます。
18世紀に質量保存の法則を発見したことで知られるラボアジェが「他の物質から金を作ることは不可能である」と証明するまでは錬金術で金を錬成することが大真面目に研究されていましたし、1970年代まで貨幣価値の裏付けに金の保有量が重視される「金本位制」が採用されていました。各国が金本位制を放棄してからも、金は市場で高い価値を保ち続けています。2018年3月時点での国内価格は1g=5000円ほどで、これは銀の価格の70倍ほどです。
金の取引価格は安定している
金がこれほどまでに多くの人を魅了する理由はいくつもありますが、その中でも特に大きいのは美しさと希少性でしょう。これらの特徴は特定の国の政治・経済情勢に左右されるものではないため、それゆえに金の価格は安定しています。「金は有事に強い」とよく言われますが、実際、政情不安が起こって法定通貨のリスクが向上すると、金への資産退避が進むため、金の価格は上昇することが多いです。
金の取引価格は大きく値動きがほとんどないため、安定した運用が期待できます。普段から資産の一部を金に変えて運用している人も少なくありません。
個人では難しい「金投資」の現実
現状、個人が金投資をするのは簡単ではありません。価格が価格なだけにまとまった量を入手するのが大変なのはもちろん、管理にも手間がかかります。また、金は化学的に極めて安定している物質とはいえ、扱いが悪ければその価値は下落してしまいますし、紛失のリスクもあります。
最近は毎月一定額を積み立てて金を買っていき、その管理は専門企業に任せる「純金積立」も人気ですが、こちらにも欠点があります。純金積立を提供している企業の多くは、サービスの提供会社の資産として保管する「消費寄託」という仕組みで純金を管理しているので、倒産した場合は資産が目減りする可能性があります。
このように何かと問題点が多い金投資をより身近にすることを目的にしているのがDGDです。
DGDはブロックチェーンで金をトークンに変える
DGDでは、実在する金に関する各種情報をブロックチェーンに保存します。このプロセスをProof Of Asset(POA)と呼びます。登録された情報は事実上改ざんが不可能であり、また全世界に向けて公開されるため、簡単に金の所有権をデジタル化できます。金の現物はシンガポールで管理されているので、管理の手間からも開放されます。
金をシンガポールに送り、DGDを手に入れた投資家は、それを暗号資産取引所で売却します。DGDを購入した投資家はそれをさらに他の人に売ることも出来ますし、あるいはシンガポールで金の現物と交換することもできます。
DGDとDGX
DGDでは、前述のDGDとは別にDGXと呼ばれるトークンも使用されます。DGXはPOAで作られる、1gの金の価値と連動するトークンです。例えばブロックチェーンに300gの金を登録していれば、300DGXを保有できます。DGXはDGD内部でのみ使われるトークンであり、暗号資産取引所で取引するものではありません。
DGDの将来性
判断が難しいところですが、仮に流通量が一定以上になればはかなりの価値の上昇が見込めると思います。
人類がこれまでに掘り出した金の総量は約15万tで、今後掘り出し得る地下埋蔵量は7万t程度とされています。つまり、全て掘り起こされたときの流通量は22万tです。金価格を1g=5000円とすると、22万tの時価総額は1兆1000億円となるのに対してDGDの時価総額は約700億円と、まだまだ大きな差があります。DGDが使われるようになればDGDの価格が上昇することでその差が埋まってゆくはずです。
ただ、実際に使われるようになるのかには懸念があります。金の現物を手に入れるためにはシンガポールに行かなければならないのは、大きすぎるデメリットです。DGDは確かに変えようと思えばいつでも金に変えられますし、それが大きな魅力ではあるのですが、実際に変えるには大きな手間がかかります。結果的にDGDのみが頻繁に取引され、金はシンガポールに貯まる一方、ということもありえます。
DGDが日本に上場する可能性
現時点では日本に上場する見通しはありません。海外の取引所の利用をおすすめします。