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APPC(AppCoins/アップコインズ)の概要
通貨名称 | APPC(AppCoins/アップコインズ) |
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最大発行数 | 4億5000万枚 |
公開日 | 2017年12月 |
公式サイト | https://appcoins.io/ |
ホワイトペーパー | https://appcoins.io/pdf/appcoins_whitepaper.pdf |
APPCの特徴や目指しているもの
APPC(アップコインズ)は、2017年12月に誕生したイーサリアム(ETH)ベースの暗号資産です。Google PlayやApp Storeとは異なり、分散型のアプリストアの実現を目的に開発されていて、開発者と利用者の双方に利益をもたらすことを目指しています。
現段階では草コインの一種にすぎませんが、将来の可能性は高く、バイナンスをはじめとする大手暗号資産取引所にも上場されています。
現行アプリストアの抱える問題点
APPCの開発陣営によれば、Google PlayやApp Storeなどの現行のアプリストアは、非効率な広告や不健全な課金システム、不透明なアプリ承認といった各種問題を抱えていると主張しています。APPCは、これらを解決したクリーンなアプリストアの実現を目指すとしています。
非効率な広告
アプリの開発元は、自分が開発したアプリをより多くのユーザーに利用してもらうために広告を出稿していますが、この広告は費用対効果の面から必ずしも効果的とは言えません。広告費用がかさむとそれだけ開発に回せるお金は減ってしまい、アプリの質が低下します。これは開発元にとってはもちろん、ユーザーにとっても望ましくないことです。
また、広告経由のユーザーがアプリを使ってくれる保証は全くありません。とりあえずインストールしたけれど一切手を付けず、しばらくしてアンインストール、ということも少なくありません。
不健全な課金システム
アプリ内課金をするユーザーは、アプリユーザー全体の5%に過ぎず、その中の少なくない割合を仲介業者が吸い取っています。せっかく優良なアプリを開発しても課金の保証がないだけではなく、課金されても開発者のもとに届く額は多くはないのです。
不透明なアプリ承認のフロー
既存のアプリストアでは、ユーザーが開発者の身元を確認するのは簡単ではありません。審査はあるもののアプリの品質保証は十分とはいえず、低品質なアプリや人気アプリをそのまま模倣したものが少なくありません。
低品質や模倣だけならまだいいのですが、中には悪意を持って開発されたアプリも存在しています。こうした危険なアプリからユーザーを守る枠組みは十分ではありません。
APPCの目指す分散型オープンストアの仕組み
APPCはこのような問題点を解決する分散型オープンストアでの利用を想定して開発が進められています。イーサリアムのブロックチェーンとスマートコントラクト技術を元に、運営元が存在しないアプリストアを確立し、上記の問題をすべて解決します。
効率的な広告
開発者はAPPCを利用して広告出稿して、そのうち85%はユーザーに分配されます。ユーザーはそのAPPCを使って課金します。ユーザーは分配されたコインでアプリ課金をして、開発者は広告費をユーザーの課金から回収できます。
将来的には、アプリをインストールするだけで終わりとならないように、一定時間はアプリを使ってもらう枠組みを整えることを目指しているようです。
健全な課金システム
ユーザーが課金したAPPCの85%は、ユーザーのウォレットから開発元のウォレットに送金されます。見方を変えれば、中抜き率は15%ということです。一方、Google PlayやAPP Storeの中抜き率は30%です。中抜き率が低く抑えられるのは開発元だけではなく、ユーザーにとっても望ましいことです。
明瞭なアプリ認証システム
この仕組のもとでは、アプリの開発元は「Trusted(信頼できる)」「Critical(危険である)」「Unknown(不明である)」の3つに格付けされ、その記録はブロックチェーンに記録されます。
優良な開発者のアプリ承認は自動化・簡素化される仕組みがあるため、今までのように審査に時間がかかることもなくなります。この仕組みのもとでは危険なアプリの開発者は自動的に淘汰されていきます。
APPCのアドバイザー陣は極めて豪華
APPCの主要なアドバイザーにはGoogle Play、BitcoinCore,Ripple Coreなどが名前を連ねています。アプリストアはもちろん、ITや金融、暗号資産にも強いアドバイザーを多数招いていることから、将来性の高さと開発陣の本気度をうかがい知ることが出来ます。
APPCをサポートするアプリストア「Aptoide」
APPCの開発をサポートしているのが、サードパーティのアプリストア「Aptoide」です。日本のようにインターネット環境や高品質なスマートフォンに簡単にアクセスできる国ではほとんど見向きもされませんが、新興国市場ではオフィシャルなストアよりも頻繁に利用されています。
AptoideではAndroid用アプリが多数提供されており、そのユーザー数は2億人を超えています。70社を超える企業とのネットワークもあり、将来有望なアプリストアの一つです。実績豊富なAptoideのサポートを元に、APPCは今後さらに成長していく可能性が高いです。
APPCの将来性
APPCの将来性は基本的には高いと考えています。一番の理由は、モバイルアプリ市場自体が拡大傾向にあることです。App Annieの調査によれば、2016年の世界の全モバイルアプリストアの市場規模は1.3兆ドルでしたが、2021年には6.3兆ドルになる見通しです。
その市場拡大を強力に支えると見られているのが中国をはじめとするアジア太平洋市場です。カテゴリー別に見るとゲームカテゴリーが多いものの、今後は音楽や動画のストリーミング、マッチングアプリなどの台頭も期待されます。
APPCは開発元にとって望ましいものであることもポイントです。多くのアプリ開発元がAPPCに魅力を感じてそちらに移れば移るほど、ユーザーにもその利便性や安全性も広まっていきます。その結果ユーザーが増えれば、それを見たアプリ開発者が更に入っていくという循環ができあがります。
一方、懸念点はどのようにして信頼を獲得していくのか、ということです。Google PlayやApp storeには多くの問題があるとは言っても、それでもアップルやグーグルのような大企業が提供していること自体が品質保証になっていることは否定できません。
管理者が存在しないアプリストアというのは概念的にも理解しづらく、初期ユーザーをどのように取り込んでいくかが、今後の問題点となりそうです。
APPCが日本に上場する可能性
現状、APPCが日本に上場する見通しはありません。早めに仕込むならば、海外の暗号資産取引所の利用をおすすめします。